性感染症に関する特定感染症予防指針に基づく対策の推進に関する研究

研究担当者所属・職・氏名
医学研究科・特命教授・荒川 創一
概要

わが国の性感染症罹患者は、淋菌感染症、クラミジア感染症とも2002年からの減少傾向が2010年で下げ止まり、今後、社会的脅威となることが懸念される。2011年に【性感染症に関する特定感染症予防指針】が改訂され、さらに2012年に改正されたことは時宜を得たものである。本指針に沿った実際的な対策の推進が求められる。本研究班では2012年~2015年までの3年間に、本目的に沿い、多方面の研究に取り組むものである。1) 性感染症の罹患率等を全国的に集計するため、7モデル県において期間を限定し全数把握調査を行う。得られた結果を感染症定点動向調査のそれと比較し、定点設定の妥当性を検討する。2) 淋菌、クラミジアは、性風俗の多様化によって、咽頭保菌とそこからの口腔性交による感染⇒発症という図式すなわち、腟性交以外でも伝播する問題がある。この咽頭保菌の実態を明らかにするため、保健所でのHIV検査受検者を対象に、生食うがい液中のこれら検出を核酸増幅法にて試みる。3) 若者が受診しやすいシステム構築について、2) の咽頭保菌者に対して、予め診療・協力してくれる第一線 (開業) 医療機関を決めておき、そこでのコンサルトや治療をスムースに受けられるシステムを構築する。4) 耐性淋菌株の分子タイピングにより、その全国的蔓延状況を把握する。臨床分離クラミジア・トラコマティス株における、抗菌薬耐性化に関わる遺伝子変異を調査する。5) HPV (ヒトパピローマウイルス) に関して、男女ともに、尖圭コンジローマ患者、非尖圭コンジローマ患者におけるHPVジェノタイピングを施行し、尖圭コンジローマ原因ウイルスであるHPV6/11型の生殖器検出率を検討する。HPV感染を含む若者への性感染症予防啓発を推進する。6) 咽頭を介した性感染症の研究として、淋菌およびクラミジアの咽頭感染の実態を把握する目的で、全国の耳鼻咽喉科受診者および泌尿器科での男性尿道炎症例における分離率をさらに検討し、有用な治療法も確立する。7) 尿道炎におけるMycoplasma genitaliumに対する検査法としreal-time PCR法および16S rRNA遺伝子のクローンライブラリー法を用い解析する。

期間 (年度)
平成24~26年度