2015年9月に発生した鬼怒川の氾濫をはじめ、日本では毎年のように河川災害が発生しています。河川災害に対する計画策定には、降雨量と河川流量の正確なデータの取得が重要です。レーダー技術等の発展により、降雨量の把握が高精度化する一方で、河川流量の計測は棒状の浮きを川に投じてその移動速度と流水断面積から推定するという前近代的な方法で行われています。しかし、大洪水が発生した際には危険が伴うため計測が困難で、ピーク時の流量が計測できないというケースも増えています。

 藤田教授が開発したKU-STIVは、河川流量の推定に河川カメラやドローンで撮影映像を使用。システム上で、基準となる長さ約10~20メートルの検査線を河川映像に配置し、川の表面に発生する波紋や浮遊物が通過した時間から流速を求め、その分布を分析して間接的に河川流量を推定します。このシステムによる測定結果は、電波流速計などで計測したものとほとんど誤差がなく、従来の計測方法より短時間で危険を伴わずに河川流量を計測することができます。

 KU-STIVは、すでに多くの河川コンサルタントや国土交通省の河川事務所で利用されており、兵庫県の河川監視カメラへの適用検証も始まりました。また、英語版も作成し、JICA研修生などへの技術移転や教育も進めています。藤田教授は、「今後はリアルタイム計測への適用を目指すと同時に、国内外の河川流量計測の標準的な手法として位置づけられるよう努力したい」と抱負を語っています。

英語版KU-STIVの操作画面

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(工学研究科、広報課)