神戸大学工学研究科の芥川真一教授が提唱する安全管理対策「On-Site Visualization計測技術」に基づいたモニタリング業務が、独立行政法人国際協力機構 (JICA) の「開発途上国の社会・経済開発のための民間技術普及促進事業」としてインドネシア・ジャカルタ市内の地下鉄工事現場で実施されました。

「On-Site Visualization計測技術 (OSV)」は、文字どおり工事現場などの安全度をその場で確認する技術で、工学研究科の芥川真一教授が開発。発光ダイオードを内蔵した計測装置を建設現場の壁や柱に取り付け、細かな異常や傾きなどを計測し、青色は「異常なし」、黄色・赤色は「崩落などの危険性あり」のように、危険度を信号機のように色で判断することが可能で、識字率の低い途上国においても認識しやすくなっています。

今回のプロジェクトには、OSV技術の普及促進を展開している産学連携チーム (OSV研究会) から複数の民間企業が参加し、全体の技術指導は芥川教授が担当しました。ジャカルタ市内中心部で建設中の地下鉄沿線の3現場(市内中心部の2駅と市内南部の高架部)において期間限定でOSVに基づく安全管理を実施したほか、その成果を発表するセミナーを開催し、施工主のジャカルタ地下鉄公社 (Jakarta MRT) からは「安全管理レベルの向上が期待できる」と高い評価を得ました。

発展途上国では、年々増加する土木工事に伴い、事故の件数も激増しており、安全管理の重要性が増しています。芥川教授は「異分野のノウハウを結集して、安全・安心の向上を目指すヒューマン・ネットワークを構築したい」と話しています。

プロジェクトで使用された装置LEC (左) とLEIS (右)

壁などに取り付け、わずかな傾きを計測し、色で危険を知らせる。

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