22機関35名の研究者からなる研究チームは、千葉県市原市の地層「千葉セクション」の、地質時代の下部−中部更新統境界国際境界模式層断面とポイント (GSSP) 認定に向け、8月15日、国際地質科学連合 (IUGS) の国際層序委員会 (ICS) に提案申請書を提出しました。ICSでの審査はGSSPの審査の4ステップ中、3つめのステップにあたります。

千葉セクションは、2017年11月、審査の第1ステップにあたる下部−中部更新統境界作業部会(WG)で、申請された3つの地層の中からGSSP候補に選ばれています。さらに、2018年11月に第2ステップにあたる第四紀層序小委員会(SQS)での審査を通過しました。

ICSはSQSの上部に位置する委員会です。8月15日にICSへ提出した提案申請書は、SQSへ提出した提案申請書の内容に、新たな研究成果等と、市原市からのレターを追加し改訂したものです。この提案申請書の提出後、すみやかにICSでの審査が開始されます。今後、委員による議論と投票が電子メールにより行われ、ICSの委員の60%以上の票を得られれば最終ステップであるIUGS(国際地質科学連合)での審査に進みます。

最終ステップであるIUGSでの審査で千葉セクションがGSSPとして選定された場合、申請チームは、77万4千年前~12万6千年前の地質時代の名称として「チバニアン」(「千葉時代」の意)を提案する予定です。現在、日本にGSSPはありません。千葉セクションが日本初のGSSPになり、地質時代の名称が日本の地名に由来したものになれば、地質学だけでなく、日本の科学史においても大きな出来事になります。また、地質学の一般への普及や小・中・高校生などへの教育においても大きな波及効果が期待されます。

神戸大学からは、内海域環境教育研究センター 兵頭政幸教授が千葉セクションの共同申請者の一人として本研究に携わっています。

詳細はこちらをご覧ください: 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所プレスリリース

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