神戸大学医学部附属病院は、2018年4月、より安全でこどもに優しい消化器内視鏡診断治療を提供するために、「小児内視鏡センター」を設置しました。
 当センターには、上部消化管・肝胆膵・下部消化管・小児外科の各分野の専門医が集結しており、消化器内視鏡の高度な技術を、新生児から成人期まで幅広いこどもの患者さんに対して提供することが出来ます。ダブルバルーン内視鏡などの特殊な内視鏡検査や、国内で施行できる施設が数施設である食道アカラシアに対するPOEM治療なども施行しています。

診療内容

上部消化管

  • 食道・胃静脈瘤の診断・治療
  • 良性食道狭窄症:食道閉鎖症術後の吻合部狭窄や腐食性食道炎に対する治療
  • 食道アカラシアに対する内視鏡治療(POEM)

下部消化管

  • 大腸ポリープ切除(若年性ポリープなど)
  • 潰瘍性大腸炎・クローン病の診断・治療

肝・胆・膵

  • 内視鏡的胆管結石除去術
  • 内視鏡的胆管/膵管ドレナージ術
  • 超音波内視鏡検査 など

設置の目的・意義

 赤ちゃんやこども達には負担の少ない検査や治療が求められます。内視鏡を用いた検査および治療では、技術の進歩に伴って体への負担が軽減されてきていますが、多くの総合病院・小児病院での消化器内視鏡診療は、こどもの診療に不慣れな消化器内科医、あるいは消化器内視鏡手技の修練を積む機会の少ない小児外科医が、それぞれ独自に内視鏡での診断・治療を行っているのが現状です。また、内視鏡的胆管膵管造影(ERCP)などの特殊な内視鏡診療は小児外科医単独では対応できないため、迅速に十分な診療ができないことがあります。

 このような背景の中、こどもの消化器疾患を正確に診断して安全に治療するために、最先端の医療機器が充実した病院にて、消化器内視鏡の専門家と小児外科の専門家が協力して、新生児から成人期までのあらゆる年齢、体格、疾患を幅広くカバーし、きめ細やかに対応を行うことができる医療チームが不可欠であると考え、消化器内科と小児外科が協力して小児内視鏡センターを設立しました。

当センターの強み

 内視鏡の技術・経験・実績の豊富な日本消化器内視鏡学会専門医・指導医の資格を持つ医師と、小児の外科疾患に習熟した日本小児外科学会専門医・指導医がすべての診断・治療を担当します。

 上部消化管・肝胆膵・下部消化管・小児外科の各分野でのリーダーが集結し、より専門性の高いチームを形成することで、消化器内視鏡の高度な技術をこどもの患者さんに対して提供することができます。ダブルバルーン内視鏡などの特殊な内視鏡検査をこどもに対しても行っています。また、国内で施行できる施設が数施設である食道アカラシアに対するPOEM治療をこどもに対して行い、良い成績をあげています。

 こどもの内視鏡検査と治療には小児外科医が必ず立ち会い、ともに診療にあたります。こども特有の病態や特徴的な構造をチームで情報共有しながら診断治療が可能であること、こどもに起こりうる合併症に外科の立場から迅速に対応できること、また、こどもが検査・処置を受けるにあたっての環境やこころへの配慮が十分に行えること、という大きな利点があり、高度な診療を提供できるのはもちろんのこと、患者さんとそのご家族の安心にもつながります。

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