藤澤学長が関西プレスクラブで講演しました

2021年10月22日

藤澤正人学長が10月18日、関西プレスクラブの定例会に招かれ、「デジタル・ロボット技術が開く未来医療」のテーマで講演しました。関西地区の新聞社、通信社、テレビ局や主要企業の幹部ら約70人を前に、藤澤学長が開発に貢献した手術支援ロボットhinotori(ヒノトリ)の特色、我が国の医療機器開発に貢献する本学の医工連携の取り組みなどについて説明しました。

藤澤学長は最初に、医療の進歩に医療機器や創薬が重要な役割を果たしていることを強調しました。開腹が中心だった泌尿器科分野の手術でも、1990年代に内視鏡手術、2000年代にロボット手術が行われるようになり、「10年ごとに大きな革新があり、ほとんどお腹を切らないようになっている」と低侵襲の手術が普及してきたことを紹介しました。ただ、「わが国はMRI(磁気共鳴画像診断装置)、PET(陽電子放出断層撮影)などの診断用機器では健闘しているものの、より高い安全性確保が求められる治療用機器では80%以上が輸入されている」と、医療機器分野全体で大幅な輸入超過になっている実態をデータを示して説明しました。

 

その背景の一つとして「開発人材の不足」を指摘。「米国では、企業でMD(医学博士)が働いており、医師と工学系の技術者の連携で手術支援ロボットが開発された。日本では医療機器をどのように開発するかについての教育・研究環境が不十分だ」と、医療機器開発に貢献する人材教育の重要性を強調しました。

神戸大学とメディカロイド社(川崎重工業とシスメックスの合弁会社)が取り組んだ手術支援ロボット「hinotori」について、「医療現場を知らない技術者と、技術を知らない医師の間で、なかなか言葉が通じなかった」とユーモアも交えて、苦労が続いた〝開発秘話〟を明かしました。hinotoriを使った前立腺手術の動画も映し、「かつての開腹手術では500~1000㏄の出血があったが、hinotoriではごく少量の出血で済む」と説明し、メディア関係者らは「迫力ある画像を見せていただき、手術支援ロボットの意義がよくわかった」と話していました。

手術支援ロボットが、若手医師の教育研修や遠隔治療などを通じて、医療水準の向上、均霑化にもつながることなどを強調。神戸大学として医工学にかかわる人材の育成に力を入れる方針を表明し、「大学対企業、組織対組織のプラットフォームをつくって産官学の取り組みに道筋をつけたい」と産業界や行政と力を合わせて医療機器開発を促進する決意を述べました。

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(総務部広報課)