[農学研究科] 世界初!三宅親弘准教授らが光合成が抑制される環境下で機能する光エネルギーの安全な処理システムの分子メカニズムを明らかにしました

2015年01月21日

光合成では、光エネルギーを用いて、二酸化炭素(CO2)を有機化合物である糖へ変換固定しています。その仕組みは、光エネルギーがチラコイド膜に存在する光合成電子伝達系で化学エネルギーであるNADPHとATPに返還され、これらの化学エネルギーがCO2に注入される形で糖が出来上がるというものです。

このような光エネルギーの糖への流れは、光合成系へCO2が十分供給されているときは問題なく進行していますが、CO2が十分供給できないストレス環境下(自然環境では、乾燥、低温、高温、塩ストレス)では、光エネルギーは過剰となってしまいます。そして、このような状況下では、過剰な光エネルギーが酸素(O2)へ渡り、生体毒である活性酸素(ROS)の蓄積や細胞の酸化障害、ひいては細胞死が生じます。

このたび、三宅親弘准教授のグループが、高等植物の先祖であるランソウ(シアノバクテリア)を用いて光エネルギーの利用効率を調べたところ、ランソウ(Synechocystis sp. PCC6803 (S.6803))において、CO2不足で光合成が抑制されている条件下で機能する新たな電子伝達活性(alternative electron flow, AEF)を細胞レベルで見出しました。さらに、タンパク質flavodiiron (FLV)がAEF活性を駆動していることを、S.6803変異株で証明することにも成功しました。このAEF活性は、ランソウが自然環境下で生育していくために不可欠のものと考えられ、藻類あるいは高等植物がストレス環境下で安全に生育することに貢献すると期待されます。

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(研究推進部研究推進課)