ノーベル生理学・医学賞受賞の山中伸弥教授へ、同級生・後輩からのメッセージ

[ 本学卒業生の山中伸弥教授にノーベル生理学・医学賞 ~受賞を祝い医学部で記者会見~ ]

2012年10月8日

同級生の伊藤光宏氏 (神戸大学大学院保健学研究科 教授)

ノーベル賞受賞の快挙を同級生の山中君が成し遂げ、驚きと歓喜でいっぱいです。山中君は学生時代から裏表がない誠実な男で、彼の話はいつも明快でした。まっすぐな山中君の研究は彼の人柄そのものをよく表しています。「最も美しいサイエンスは万人が理解できる単純な真理である」ことを山中君の受賞は教えています。彼がまだほとんど無名の研究者だったころ、「天才は何をすればデータが出るかわかるが、僕らはたくさん矢を放ってそのうち1つを的に当てるしかない」と言ったのを鮮明に覚えています。同級生の私に研究者が成功する秘訣を伝授してくれたのだと思います。何年も前、山中君があるシンポジウムであまりに大きな構想を披露したので私は大変心配になり、「君あんなに大言壮語して大丈夫か?」とたしなめたことがあります。しかしそれが現実となり、ノーベル賞になりました。山中君の受賞は彼のまっすぐで実直な人柄が成し遂げた快挙です。同級生として心からお祝い申し上げます。

同級生の江本憲昭氏 (神戸薬科大学 教授)

山中先生、ノーベル賞の受賞おめでとうございます。今回の快挙の知らせに際し、神戸大学医学部を昭和62年に卒業した同級生のひとりとして心よりお祝い申し上げます。 今回の受賞の礎となったiPS細胞の研究を達成する道程は、決して平坦ではなかったことは想像に難くありません。しかし、夢をもって挑戦すること、そして困難に打ち勝つ強い信念をもち続けること、さらにはサイエンスに真摯に向き合うことでこの偉業が達成されたものと思います。 その原点は学生時代の勉学とラグビーに勤しんでいた先生の姿にすでにありました。 世界に大きく羽ばたいた先生ですが、謙虚で飾らない性格と周囲に対する細やかな気配りは学生時代からいささかも変わることがありません。 今後もさらなる研究の発展とともに、これからのわが国を背負ってゆく後進の指導にもご尽力されますよう、祈念いたします。

医学部ラグビー部後輩の長野徹氏 (神戸市立医療センター中央市民病院 皮膚科部長)

先生の実績から受賞間違いなしと思っておりましたが、こんなに早くとは思っておりませんでした。先生とはラグビー部時代3年間ご一緒させていただきました。走力のない新入生がポイントに来るまでボールを持って待っていて下さった優しい姿と、試合で密集から抜け出し、まっすぐ敵に体当たりする姿は、強く印象に残っています。またマネージャーとしても活躍され、他校、OBとの交渉、金銭管理などを緻密にこなされていました。先生の今日の成功は目標に向かってまっすぐ進む強い意志と高いマネジメント能力の賜物と考えております。ただ不思議なことにラグビーの練習や筋トレをする姿はよく見ても、講義に生真面目に出席される姿はついぞ見かけることがなく、不勉強な後輩たちの救いとなっていた側面も持っておられ、併せて先生の不思議な魅力になっております。先生のさらなる飛躍を祈念しております。

医学部ラグビー部後輩の黒田良祐氏 (神戸大学大学院医学研究科 准教授)

山中先生、ノーベル賞受賞誠におめでとうございます。神戸大学医学部ラグビー部時代、怪我をした私の面倒をとても親切にみていただいたこと思い出します。当時、先生は整形外科医志望でした。優しい先輩で、素晴らしい整形外科医になると思っていました。なぜ基礎研究なのか?意外です。ラグビー初心者の先生は入門書を読みあさり、基本に裏打ちされた忠実でひた向きなプレーは我々を魅了しました。その一方で、味方をも欺く意表をついたプレーもまた先生の魅力でした。この独創性は今でも心に焼き付いています。独創的な先生だからこそ生物学の常識を覆すiPS細胞開発ができたのだと思います。iPS細胞をめぐる激しい国際競争はありますが、世界のため、全人類のためにますますのご活躍を期待しております。