神戸大学

第186回 都市安全研究センター (RCUSS) オープンゼミナール

2014年08月23日

都市安全研究センター (RCUSS) オープンゼミナールは、広く社会に都市安全研究センターの活動を広く公開するとともに、関連する各分野の皆様からの報告を通じて、安全な社会としていくための研究や実践のあり方を議論しています。大学の教職員・学生のほか、安全・安心に関心を持つ市民の方々や、コンサルタントなどの民間企業の方々、自治体の消防・建築・地域関係の職員の皆様などが参加されています。

参加費は無料で、事前登録不要です。ご興味のある方は遠慮なくご参加ください。

開催概要

※今回は、神戸大学内で開催いたします。

日時
2014年8月23日(土) 14:00~18:00 (開場 13:30)
会場
神戸大学 社会科学系アカデミア館 4階 404号室
(アクセス:市バス36系統鶴甲団地行「神大正門前」下車、正門入ってすぐ左のビル、六甲台第一キャンパス)
司会
神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦
お問い合わせ先
神戸大学都市安全研究センター
(所在地: 兵庫県神戸市灘区六甲台町1-1、TEL: 078-803-6437、FAX: 078-803-6394)
詳細情報
神戸大学都市安全研究センター RCUSSオープンゼミナール
プログラム
  1. 中国四川省ブンセン大地震 (2008) からの復興による集団移転事例報告
    北後 明彦 (神戸大学都市安全研究センター教授)

    2014年8月12日に、四川大学-香港理工大学災害復興管理学院において、アジア災害法ワークショップが開催され、それに続いて四川省綿陽市北川チャン族自治県において、四川大震災 (中国名:ブンセン大地震) により集団移転した地域での視察を行う機会を得た。汶川 (ブンセン) 地震震災復興再建条例 (2008年6月) によって、「地震活断層もしくは生態破壊や洪水の恐れのある地区、斜面滑落、崩壊、土石流、土地陥没などの災害区域及び伝染病自然疫病発生地を避け (垂水英司・鄧奕訳)」るためにアセスメントが実施され、移転地を定めた。本報告では、北川チャン族自治県内で移転した数地域について紹介します。これらの移転地では、結果的に非農地化、都市化、観光化のトレンドの中での復興となっており、地域でのヒアリングでは、自然と生きる農村というかたちもあったのではとの声も聞かれた。

  2. 中国四川省ブンセン大地震 (2008) から復興した地域における居住実態報告
    李 昕澤 (神戸大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程)

    2008年5月、四川大震災(中国名:ブンセン大地震) により四川省では甚大な被害が生じた。被災地が広大であることから、その中には人口数十万の都市から、山間部の集落まで含まれており、また被災住宅の形態も、一戸建ての伝統的農家から集合住宅 (マンション) まで多様である。また、被災地には少数民族の文化的伝統に由来する住宅も多数存在する。都市から農村部まで被災地における住宅の多様性を把握、また、ヒヤリング調査により、住民の生活がどのようになっているのか、現在、どのような問題を抱えているのか、住民の居住実態を紹介したいと思う。

  3. 中国雲南地震 (2014) による被害状況及び初動対応調査報告
    顧 林生 (四川大学-香港理工大学災害復興管理学院執行院長・教授)

    2014年8月3日に中国雲南省昭通市魯甸県で発生したマグニチュード6.5の地震によって多くの人命が失われた。多様な少数民族が住む貧しい地域で、土壁による耐震性の低い形式の住宅などが被害を大きくしている。中国における防災減災の研究拠点として2011年に設立された四川大学-香港理工大学災害復興管理学院では、この地震直後から現地の被災調査に入り、被災者ニーズの把握、地域の再建のあり方等の検討を行っている。その中心となっている顧林生教授から、現在の状況についての報告をお願いした。

(都市安全研究センター)