神戸大学

附属図書館と「人と防災未来センター」の震災資料が横断検索できます

2009年01月20日

1995年1月17日に起きた阪神・淡路大震災では、直後から多くの記録・報告書などが作られ、同時にこれらを収集・保存する活動が始まりました。被災地の市民や関係者の間に、ここで起きた出来事を個人のものにとどめず、社会的に共有すべきものとの意識が生まれてきたのです。

被災地での震災資料の収集・保存・公開は、ボランティア団体、図書館、行政関係機関などがおこないました。収集対象となったのは、図書類だけでなく、ビラやチラシ、ミニコミ、ボランティアの記録ノート類など震災の一次資料、いわば、整理したり、まとめたりする前の素材となる資料からでした。

神戸大学附属図書館も、1995年4月から従来は取り扱わないビラやチラシ、ニュースレター類の収集にも努め、震災文庫として10月から公開をはじめました。「人と防災未来センター」(神戸市中央区) 資料室の資料は、同年10月から始めた兵庫県の調査事業を基礎にし、開館後の2002年4月から公開を開始しました。この他、人・街・ながた震災資料室、震災・まちのアーカイブなどそれぞれの機関が、震災資料を保管しています。このように被災地では、さまざまな機関が独自に震災資料の収集、公開をおこなっています。

このたび、附属図書館震災文庫とセンター資料室のホームページから、所蔵資料の横断検索ができるようになりました。横断検索というのは、自宅のパソコンなどから、2カ所の資料を一括して検索することができるものです。今まで、震災文庫とセンター資料室の資料を検索する場合、それぞれのホームページへアクセスし、逐一キーワードなどを入力するなどの手間が必要でしたが、このシステムにより、各ホームページで両方の資料を一度に検索することが可能になります。詳細なデータやその利用については、やはりそれぞれのホームページを検索する必要がありますが、どういった資料がどこにあるのかが、簡単に検索できるようになったのです。

今回は、センター資料室の資料は図書資料のみとなっていますが、今後その他の資料 (写真、チラシ、メモなど) も対象としていく予定です。また、他の機関とも連携を深め、阪神・淡路大震災被災地共有の震災資料のデータベース構築をおこなっていきたいと考えています。

(地域連携推進室地域連携研究員 佐々木和子)