神戸大学

歴史文化をめぐる地域連携協議会が開かれました

2009年02月05日

第7回・歴史文化をめぐる地域連携協議会が、「自治体合併後の地域遺産の保全・活用をめぐる現状と課題」というテーマで2月1日、神戸大学瀧川記念学術交流会館で開催されました。

人文学研究科地域連携センター主催のこの行事は、センターの1年間の活動を集約する目的で開かれており、今年はとくに、人文学研究科が取り組んでいる文部科学省プログラム「古典力と対話力を核とする人文学教育」のフォーラム企画としても開かれました。

地域連携協議会

平成の自治体合併がおこなわれてから約3年がたち、この間、センターでは、大規模合併を経験した自治体との連携事業、あるいは関係する方々からの聞き取り調査などを行いました。これを通じ自治体合併が地域遺産の保全・継承に対し、いくつかの問題を投げかけ、地域住民と一緒になった取組や連携がますます必要であることが見えてきました。そこで今年度の協議会は、合併後の歴史文化をめぐる現状や課題を共有し、歴史遺産の活用について、住民・自治体・大学がいかに連携・協力していけるかを検討する目的で開かれました。

薄井洋基・地域連携担当理事の開会挨拶、奥村弘・事業責任者 (地域連携推進室長) の主旨説明のあと、まず京都大学の岡田知弘教授が「『平成の大合併』の歴史的意味と地方自治・地域づくり」と題した記念講演。次いで、香寺町史編集室長の大槻守氏が「自治体史編纂史料の行方と自治体合併」、佐用町教育委員会の藤木透氏が「合併と公文書・地域資料 ~その保存への思いと現実~」、丹波市春日町棚原地区棚原パワーアップ事業推進委員会の上田脩氏が「地域の歴史文化を活かしたまちづくり」と題した個別報告をおこないました。

討論では、兵庫県教育委員会文化財室の村上裕道氏のほか、人文学研究科院生の紀藤雄一郎氏も学生の立場から、研究・教育をする上で地域遺産の現状や課題をどう見るかなどのコメントもおこなわれました。参加者からは「合併により地域遺産の保存をめぐる問題が生じる中で、『保存する人』『活用する人』の育成が重要であることを改めて感じた」などの感想も寄せられました。

当日の参加者は、兵庫県内の自治体・大学関係者や住民団体の代表者を中心として43機関74名。この協議会の開催には、兵庫県教育委員会、小野市教育委員会、佐用町教育委員会、香寺町史編集室の共催を受けました。

(人文学研究科・坂江渉)