神戸大学

「人と海」をめぐり神戸大と京都大が合同で市民講座を開きました

2009年02月10日

「人と海のかかわり ~人・社会・自然を考える」をテーマに、神戸大学と京都大学が合同で企画した市民公開講座の第一回が1月31日、「海上輸送と生物多様性」と題し、日本財団の寄附講座として、JR京都駅前にある「メルパルク京都」で開催されました。会場は約100人の参加者で満員になりました。

市民講座・会場からの質問

最初に、京都大学フィールド科学教育研究センター副センター長の柴田昌三教授が挨拶。続いて、同センターの向井宏特任教授の司会で、海上輸送が関わる海域と陸域の境界領域で起きている生態系変動について、外来生物の越境移動を中心に講演を行いました。その後、参加者全員によるパネル討論会を実施しました。

講演の部では神戸大学大学院海事科学研究科の三村治夫教授が「船舶バラスト水問題」について、続いて奈良大学教養部の岩崎敬二教授が「密航する海の生物たち: 外来海洋生物の日本での現状と対策」について、それぞれ講演しました。続くパネル討論会の部では、京都大学フィールド科学教育研究センターの山下洋教授と神戸大学大学院海事科学研究科の石田廣史教授が参加し、幅広い視点で意見交換が行われました。

パネル討論では、バラスト水処理装置の具体的開発事例や船体に付着して越境移動する生物への国際条約による規制の有無等、外航船舶の海洋生物多様性保全への負の貢献に対して鋭い質問が飛び出しました。この分野に直接関わる両大学が果さなければならない役割の重要性を改めて確認した講演会でした。最後に、石田教授が参加した市民の皆さんに感謝の言葉を述べました。

本公開講座は3月14日に第2回の開催を予定しています。

(海事科学研究科)