神戸大学

留学生センターが22回目のコロッキアムを開きました

2009年02月13日

神戸大学留学生センターは2月7日、第22回コロッキアム (研究討論会) 「日本語教育における評価と到達目標 -日本語教育スタンダードを考える-」を、神大会館六甲ホールで開きました。1993年から行っている日本語日本文化教育における評価について到達目標との関係からとらえ直し、グローバルな視点から留学生30万人構想など社会の動きに対応するために、先進的な他機関の現状の把握を目的としたものです。

22回目のコロッキアム

特別講演では、早くから取り組んでいる東京外国語大学留学生日本語教育センターの伊東祐郎教授が、「スタンダード構築 -予備教育課程からの実践報告-」をテーマに、その定義や世界の動向を踏まえて、取り組み、役割、機能について波及効果に至るまで話されました。

講演では、組織的に取り組んできた国際交流基金 (JF) 日本語国際センターの島田徳子専任講師から、「JF日本語教育スタンダードが目指すもの -その理念と開発過程-」と題して、その定義と世界的背景、そして理念、開発過程、教育現場との協働、ドイツ語プロファイルについて報告がありました。また交流協会台北事務所の岩崎良美日本語専門家から、「台湾の日本語教育における評価と到達目標 -高等教育機関を中心に-」の題に沿って、組織や教育制度の紹介の後、その目標や評価に影響する「評鑑」、日本留学の奨学金試験制度の報告がありました。

続く討論会では、当センターの水野マリ子教授の司会により、講演者にフロアの参加者も加わり、国内外の実状、日本語教育に及ぼす影響、アカデミックジャパニーズとの関係、異文化理解における到達目標、情報のネットワーク化など、また台湾における具体的な評価システム、進学の実態など多岐にわたる議論が交わされました。スタンダードは、評価指標ではなく目標基準として位置付けられ、教育を見直すプロセスであることを確認しました。センターにおける日本語日本文化教育の再構築の方向性を見極め、その充実を図る出発点ともなりました。

(留学生センター)