神戸大学

2008年度のボランティア講座が開かれました

2009年03月04日

「『生きづらさ』から構想するもうひとつの社会」をテーマに、2008年度神戸大学ボランティア講座が、神戸大学国際文化学部K402教室で開講されました。講演会やパネル討論による「座学」と数日間の「現場実習」「意見交換会」の三部構成で、2月から3月にかけて実施され、2月15日の「座学」には、学外も含めて約60人が参加しました。

ボランティア講座2008

本講座は、阪神・淡路大震災でのボランティア活動への関心の高まりをふまえ、1997年度から続いています。学生生活課が主催し、企画・運営には学生サークル「学生震災救援隊」と「総合ボランティアセンター」が協力しています。今年度については、都市安全研究センター・学生ボランティア支援室も参画しました。

午前中の基調講演では、野宿者ネットワーク代表の生田武志さんを講師に迎え、「『生きづらさ』はどこからくるのか」と題して、不安定就労 ・非正規雇用の極限としての日雇い労働者である日本の野宿者の現状や、ひきこもり・フリーター・ニートの「生きづらさ」を生み出す「生き難い」社会の構造について、お話ししていただきました。

ボランティア講座2008

午後には、実習現場として設定された4つの分野で活動する団体の方々によるパネル討論が行われました。「こども・若者の居場所」分野からはNPO法人フォロの山下耕平さん、「在日外国人」分野からは神戸定住外国人支援センター子ども学習支援の志岐良子さん、「野宿と労働 (野宿者支援)」分野からは神戸YWCA夜回り準備会の鍋谷美子さん、「被災地の復興と被災者の生活再建」分野からは中越復興市民会議コーディネーターの鈴木隆太さんが登壇。学生ボランティア支援室の藤室玲治学術推進研究員のコーディネートのもと、「『生きづらさ』から構想するもうひとつの社会」というテーマで、 それぞれの現場で向かい合っている人々の「生きづらさ」と、 その背景にある「生き難い」社会の構造について議論されました。

参加した学生からは「経済の貧困だけでなく、関係の貧困という考え方を学んだ」「野宿者襲撃の実態に戦慄を覚えた」「生きづらさに気づくきっかけになった」「それぞれの居場所をどう作るのかが大事だと思った」等の感想が挙げられました。

(学生生活課、都市安全研究センター・学生ボランティア支援室)