神戸大学

震災15周年記念連続講座第3回「苦闘からの教訓―兵庫県の防災と危機管理」を開催しました

2010年10月18日

震災15周年記念連続講座第3回「苦闘からの教訓―兵庫県の防災と危機管理」

10月31日 (水)、国際文化学部B102教室にて、標記の講演会を開催しました。日本災害復興学会共催、震災15周年記念連続講座「阪神淡路大震災と私のターニングポイント―3つのキーワードでたどる」の第3回目です。

今回の講師は、初代兵庫県防災監、兵庫県副知事を歴任された、財団法人兵庫県国際交流協会理事長、齊藤富雄先生です。大震災の教訓を活かした防災対策・危機管理に努めてこられた経験をもとに、災害時の行政の役割についてお話いただきました。

今回の3つのキーワードは「失敗を活かす」「繋がりを活かす」「人を活かす」でした。齊藤先生は、大震災のときは、家族を田舎に帰し、ご自身は県庁に泊まり込みで災害復興に携わり、その後1996年に初代防災監に就任されて以降も、兵庫県内で起きたさまざまな災害や危機管理事案の対策を指揮してこられました。

震災15周年記念連続講座第3回「苦闘からの教訓―兵庫県の防災と危機管理」

その経験を「実践的危機管理10の視点」という10本の標語に見事にまとめられています。いざというときのために、徒労をいとわずに最悪の事態をイメージし、マニュアルをつくっておくこと、そのマニュアルの欠点を洗い出すために、「失敗する訓練」を重ねること、日常的に使うシステムを非常時にも使うことなど、貴重な教訓を伝授していただきました。そして行政が復興を担う際には、「創造的復興」という発想が重要であることを訴えられました。最後に、今後必ず起こるであろう大地震は数十年後に来る可能性が高いから、次代を担う若者たちに期待したいという、熱いメッセージで締めくくられました。

参加者は、学生、教員、卒業生、一般企業の方など総勢30名強。「とても聞きやすかった」「進路について考えさせられた」「失敗から成功を得るという考え方に共感した」などの感想が寄せられました。

この連続講演会は今年度中にあと2回開催する予定です。詳細は決定次第お知らせします。

(都市安全研究センター学生ボランティア支援室)