神戸大学

市民向け「まちづくり地域歴史遺産活用講座」試行プログラムを行いました

2010年12月21日

市民向け「まちづくり地域歴史遺産活用講座」試行プログラムを行いました

人文学研究科は2010年度から、文部科学省から助成を受け、特別研究「地域歴史遺産保全活用教育研究を基軸とした地域歴史文化育成支援拠点の整備」事業を行っています。今年6月には、県内の主要な自治体や市民団体と共同して、地域歴史文化を次世代に引き継ぐシステムや環境を構築するための、「地域歴史文化連携コンソーシアム」を発足させました。今回の試行プログラムはこの取り組みの一環をなすもので、将来的には、市民の方々が地域歴史文化の担い手として、地域遺産を保全・活用するための基礎的知識や技術を学ぶ機会を提供する場となることをめざしています。

12月18日と19日の両日、あらかじめお願いした市民・主婦・学校の教員・歴史系の専門職でない自治体職員など12名の方々にモニターとして参加していただき、以下のようなスケジュールでおこなわれました (姫路市香寺町犬飼・県民交流会館にて)。

12月18日 (土)
  • 9:40-9:50 開講挨拶、趣旨説明
  • 9:50-12:00 地域歴史遺産とまちづくり (奥村弘・教授、地域連携推進室室長)
  • 13:00-15:30 古文書基礎講座 I II III (添田仁助教・村井良介助教)
  • 15:40-16:10 今を伝える歴史資料 (佐々木和子・地域連携センター研究員)
12月19日 (日)
  • 9:40-10:25 現代における地域社会の成り立ち (河島真・准教授)
  • 10:35-11:05 古代の里と村 (坂江渉・准教授)
  • 11:05-11:45 中世の荘園と村 (村井良介・助教)
  • 1145-1215 近世の地域社会 (添田仁・助教)
  • 13:00-14:30 災害から地域史料を守るワークショップ (松下正和・講師)
  • 14:50-16:10 意見交換会
  • 16:10-16:20 修了書授与・閉会挨拶

プログラム終了後の意見交換会では、市民モニターから、講座の時間配分や開催日などをめぐるいくつかの問題点も指摘されましたが (開催日を隔週に出来ないかなど)、「非常に勉強になった」「地域づくり活動の倦怠期に入っていたが、今回の講座でリフレッシュできた」「応用編の開講に期待したい」「もっとたくさんの市民向けの企画を考えたらどうか」など、おおむね良好な評価が出されました。地域連携センターでは、今回の試行プログラムで出された意見について、コンソーシアム関係者と検討を積み重ね、今後、本講座の開講をめざしていく予定です。来年2月には、第2回目の試行プロクラムを朝来市内で開くことになっています。

なお今回の企画には、香寺町史研究室・福崎町教育委員会の共催、兵庫県教育委員会・姫路市教育委員会の後援をうけました。

(人文学研究科 坂江渉)