神戸大学

神戸大学ブリュッセルオフィス第2回シンポジウム「巨大災害に強い安全社会の構築に向けて」を開催しました

2011年09月28日

神戸大学ブリュッセルオフィス第2回シンポジウム「巨大災害に強い安全社会の構築に向けて」を開催しました

神戸大学は、9月19日、ベルギー・ブリュッセルにおいて神戸大学ブリュッセルオフィス第2回シンポジウム「巨大災害に強い安全社会の構築に向けて」を開催しました。本シンポジウムは、3月11日に発生した東日本大震災及び津波について、神戸大学を中心とする日本の研究者から大震災の現象とその影響を報告し、日欧で情報を共有するとともに、超広域災害と複合災害が社会にもたらす影響について議論することを目的に開催されました。

神戸大学ブリュッセルオフィス第2回シンポジウム「巨大災害に強い安全社会の構築に向けて」を開催しました
左から、塩尻欧州連合日本政府代表部
特命全権大使、ソアレス欧州委員会
研究イノベーション総局環境局長、
福田学長、
ドゥ・ノップ ブリュッセル自由大学長、
アルブリート国際連合減災戦略機構
ヨーロッパオフィス所長

オープニングにおいて福田秀樹学長は、1995年に神戸を襲った阪神・淡路大震災の被災地の大学として、この度の東日本大震災に強いショックを受けるとともに、これまでに蓄積した研究成果を生かして被災地の復興に協力していくことを決意したことを告げ、そのために日欧間でもより一層の連携を推進したいとの意思を表明しました。また、塩尻孝二郎欧州連合日本政府代表部特命全権大使は、神戸大学ブリュッセルオフィスが開所1周年を迎えたことに対する祝辞の後、大震災に触れ、5月のヘルマン・ヴァンロンプイ欧州理事会議長の俳句に続くとし、被災地に思いを寄せて復興を願う句を詠みました。

続いて、マニュエラ・ソアレス欧州委員会研究イノベーション総局環境局長、パオラ・アルブリート国際連合減災戦略機構ヨーロッパオフィス所長から、それぞれの機関の減災に対する国際的な取り組みとそれらにおける日本との連携が紹介され、その強化に期待が示されました。オープニングの最後には、本シンポジウムの協力大学であり、会場ともなったブリュッセル自由大学のポール・ドゥ・ノップ学長から、神戸大学のパートナー大学として本シンポジウムをともに開催できたことに対する喜びが示されるとともに、国際化を推進する同大学として日本との交流をさらに拡大していきたい旨発言がありました。

神戸大学ブリュッセルオフィス第2回シンポジウム「巨大災害に強い安全社会の構築に向けて」を開催しました

第一部では、東日本大震災の現象について、吉岡祥一都市安全研究センター教授、真野明東北大学教授、小田啓二海事科学研究科長、田中泰雄都市安全研究センター長から、それぞれ地震の概要、津波被害、放射線災害、地盤及びインフラ被害の報告がありました。つづく第二部では、大震災の影響について、石川雅紀経済学研究科教授、金子由芳国際協力研究科教授、森岡正芳人間発達環境学研究科教授、室崎益輝関西学院大学教授・神戸大学名誉教授から、それぞれがれき及び廃棄物処理、政策調整の課題、心理社会的サポート、コミュニティーの説明がありました。

第三部では、武田廣理事・副学長がチェアを務め、欧州委員会研究イノベーション総局環境局のデニス・ピーター氏、フランス地質研究所のホルモツ・モダレッシ教授、ドイツ地質研究所のジョチェン・ザウ教授、グローバル・リスク・フォーラムのデヴィッド・アレクサンダー教授も参加して、減災と防災について日欧の現状と課題を共有しつつ、安全社会の構築に向けて議論しました。

神戸大学ブリュッセルオフィス第2回シンポジウム「巨大災害に強い安全社会の構築に向けて」を開催しました
神戸会場 (神戸大学)
神戸大学ブリュッセルオフィス第2回シンポジウム「巨大災害に強い安全社会の構築に向けて」を開催しました
ブリュッセル会場
(ブリュッセル自由大学)

翌9月20日には、神戸とブリュッセルがビデオ会議システムでつながれ、神戸大学の学生5名がベルギーの大学の学生に、避難所での支援物資の仕分け作業や足湯、罹災住宅からの荷物の運び出しなど被災地でのボランティア活動について報告し、所感を伝えました。学生たちの活動に対して、ベルギーの大学の学生10名からは、高齢者対応や文化・慣習が異なる地域で活動を行うことについて事前の準備や問題の有無、ボランティア活動の継続性、行政との関係など質問が相次いで投げかけられました。それに対して、神戸大学の学生はそれぞれの経験に基づいて回答するとともに、ベルギーとの違いなどについて両側の学生で議論しました。この議論は、ビデオ会議終了後もメールにて両側の学生代表者がそれぞれの学生の意見等を集約するなどして、継続されることになりました。

(国際部国際企画課)