神戸大学

神戸大学創立110周年記念・第7回理系AO入試フォーラム「理系AO入試が開く科学者へのトビラ ―高校・大学・社会の連携による人材の育成をめざして―」を開催しました

2013年04月18日

2013年3月9日、神戸大学創立110周年記念・第7回理系AO入試フォーラム「理系AO入試が開く科学者へのトビラ ―高校・大学・社会の連携による人材の育成をめざして―」を、神戸大学瀧川記念学術交流会館にて開催いたしました。

今回のテーマは「科学教育における探究型人材育成と青年のキャリア形成」でした。


プログラムの第1部では、神戸大学の川嶋教授より、多様化する高校教育と大学入試の現状と課題について、また、「21世紀型市民」や「グローバル人材」の育成に重要な各段階の学習状況の把握とつながりについてお話しいただきました。特に、現行の入試制度における課題に対し、「選抜」から「相互選択」へ、点 (入試) から線 (接続) へ、また「高大接続」から「K-16 (幼稚園教育から大学教育)」へ、などの検討の方向性について触れられました。

次に、大阪大学の東島理事・副学長より大阪大学理学部で実施している理数オナープログラム (大学2~3年生中心に強い意欲をもつ希望者を対象とした教育プログラム。履修者は自主研究等を行う) とその成果、さらに、理系推奨AO入試、国際科学オリンピックAO入試、一般入試挑戦枠など大阪大学で実施しているユニークな入試制度の紹介をしていただきました。

第2部では、神戸大学の榑林教授から、現在の日本の科学技術人材にみられる問題点と「行動能力 (自己の持つ技術や知識を最大限に発揮し、成果の獲得や目標の達成につなげるための能力)」についてお話しいただきました。大学 (院) の学生は、基礎学力とともにこの「行動能力」を学ぶことが重要であり、そのためには、大学における早急な教育改革、教育の最前線に立つ教員の意識改革が必要だと強調されました。

次に、大学コンソーシアム京都/京都工芸繊維大学の内村教授から、探究型人材育成について認知心理学の視点からお話しいただき、京都工芸繊維大学でのAO入試の選考方法をご紹介いただきました。また、京都における高大連携プログラム、探究型人材育成のための授業デザインについても触れていただきました。

最後に、兵庫県教育委員会の小倉主任指導主事より、兵庫県が平成24年度から実施する「理数教育アクションプラン」のうちの「数学・理科甲子園」、「兵庫『咲いテク (サイエンス&テクノロジー)』」事業についてご紹介いただきました。中でも「サイエンスフェア in 兵庫」では、高校・大学・企業・研究機関の連携の推進の促進と高校生の意欲の向上に高い効果があったと強調されました。

第3部では参加者を交えた総合討論を行いました。討論では、「人材育成ビジョンに関して」「高校生・大学生のキャリアをどうサポートしていくか」「入試制度について」について、高校関係者・大学教職員・学生・企業関係者らなど、70人ほど集まった参加者の間で立場を超えた活発な意見交換がなされました。

関連リンク

(発達科学部、サイエンスショップ)