神戸大学

農学研究科OBのムハンマド・トゥファイル教授が来学

2013年04月22日

神戸大学大学院農学研究科OBでキング・サウド・ユニバーシティ (KSU, サウジアラビア, 世界ランキング200位台) 農学部教授のムハンマド・トゥファイル教授が4月、学会参加を機に来学、神戸大学とKSUの交流協定の準備を進めることになりました。

トゥファイル教授は昆虫生理学専攻。パキスタン生まれで、故国の大学助教授を経て95年にJICA研修コースの研修生として来日後、国費留学生として神戸大学大学院自然科学研究科の竹田真木生研究室で修士・博士コースを経て、JSPS海外特別研究員、自然科学研究科助教として計15年間本学に滞在されました。専門はゴキブリの卵黄たんぱく質前駆体 (ビテロジェニン、Vg) と脂質輸送。旺盛な昆虫の繁殖力と飛翔能力の秘密の解明です。卵細胞の表面にVgや脂質輸送蛋白質リポフィリン (Lp) が結合すると細胞に脂質を取り込むエンドサイトーシス現象が起きて卵は成長します。これを阻害すれば害虫の繁殖は防げることになります。トゥファイル教授は、これらの蛋白質の受容体も研究し、英国の専門誌「昆虫生理学雑誌」で、2007年以降、最多論文引用回数で顕彰されています。昨年は竹田教授と共同編集で「昆虫の体液タンパク質とペプチド」のタイトルでe-bookでの出版もしています。この本には、1昨年ノーベル生理学賞に輝いた、J. ホフマン博士も参加しています。トゥファイル教授はこれらの功績を認められて3月26日に故国パキスタンで大統領表彰を受けています。

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(広報室)