神戸大学

戦前の兵庫県下の地域の歴史を復元できる「神戸又新 (ゆうしん) 日報」のデジタル化が完成しました

2013年06月21日

神戸市役所内で記者発表

人文学研究科では、地域連携センターを中心にして、平成22年度~24年度の3年間、文部科学省の採択を受け、特別研究プロジェクト「地域歴史遺産保全活用教育研究を基軸とした地域歴史文化育成支援拠点の整備」事業に取り組んできました (事業責任者は奥村弘人文学研究科教授)。事業内容の目的のひとつとして、兵庫県下の歴史資料の市民的利用の促進を掲げ、原資料を所蔵する神戸市立中央図書館と連携して、「神戸又新日報」のデジタル化作業を実施し、このほどその完成と利用促進をめざす会見をおこないました。

「神戸又新日報」は、明治17年 (1884) ~ 昭和14年 (1939) の間、五州社から発行された地方新聞です。報道内容は神戸市内のみならず、兵庫県下の全般 (旧摂津・播磨・但馬・丹波・淡路の五州) にわたり、従来も、地域の歴史や生活史を調べるための基礎的な学術資料群として利用されてきました。たとえば『小野市史』では、「新聞報道で見る小野」という巻が刊行されるほど、貴重なものです。

今回の事業では、現存する「神戸又新日報」のマイクロフィルム全295リールのデジタル化に成功しました。画像ファイル数は、128,000以上に及びます (明治17~18年と明治27年分は、原資料の欠紙により対応できていません)。

これにより、今までマイクロリーダーを通じてしか閲覧できなかった同紙の記事を、パソコン操作によって簡単に閲覧できるようになりました。また「○年×月」という月単位でのデータ検索が可能です。さらに貴重な原本の劣化防止、マイクロリールの経年劣化にも対応することができました。

完成したデジタルデータは、学内では6月25日 (火) から、附属図書館の人文科学図書館で閲覧できます。引き続き、マイクロフィルムの利用も可能です。これを期に学内の多くの方々に活用していただければ幸いです。

閲覧に関するお問い合わせは、人文科学図書館 (078-803-5585) まで。

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(人文学研究科地域連携センター)