神戸大学

海事科学部創立10周年記念式典を開催しました

2013年10月26日

平成15年10月に神戸大学と神戸商船大学が統合されて海事科学部が創立されてから今年10月で10周年。これを記念して、10月26日(土)午後2時から神戸市東灘区深江南町5の神戸大学深江キャンパス講堂で創立10周年記念式典が開かれました。


台風一過で青空広がる深江キャンパスにはOB、OGや教職員、現役の院生、学生が詰めかけて講堂は満員。式辞で福田秀樹学長は神戸高等商船学校から神戸商船大学に発展した歴史に触れながら統合後に世界で類を見ない海事系重点化大学院である海事科学研究科が発足したことなどに触れ、「海洋基本計画に対応して今年4月から改組してステップアップした海事科学部の改革の成否は教職員の努力にかかっています。臨席された皆様の一層のご支援をよろしくお願いします」と話しました。続いて林祐司海事科学研究科長・海事科学部長が「神戸大学が研究大学に大きく舵を切る中で、私たちも研究大学の一員として研究の質量向上を目指したい」と力強く呼びかけました。来賓を代表して布村幸彦・文部科学省高等教育局長の祝辞を金子実・文部科学省高等教育局専門教育課視学官が読み上げました。

基調講演は海上交通の安全と海洋汚染防止のために各国の協力を進める国際海事機関 (IMO) の関水康司事務局長が「Sustainable Maritime Transportation」と題して話しました。その中で関水事務局長は「2050年の海上輸送量は今の倍になる。それを支える船員は今、全世界で50万人。2050年には100万人に増やす必要がある。神戸大学など海事教育ができる日本の大学は途上国の人の教育も視野にいれて欲しい」とこれからの課題を指摘しました。

次いでパネルディスカッション「海事科学部10年の歩み」が行われました。統合当時のそれぞれのトップだった野上智行前神戸大学長と原潔元神戸商船大学長に久保雅義元海事科学研究科長、石田廣史元海事科学研究科長・前神戸大学理事副学長の4人が登壇。小田啓二前海事科学研究科長の司会で、統合の秘話やこれから海事科学部が目指す分野を話し合いました。原元神戸商船大学長は「当時の西塚神戸大学長は海洋を研究・教育の舞台にするのは面白いと考えていて、私も総合大学と連携して発展したいという思いがあり、これがきっかけになった。西塚さんは海に開かれた総合大学を目指そうと話していました」と秘話を披露しました。野上前学長も「統合のときには何より新しい大学を作るというコンセプトだった。国立大学統合の遠山プランより先に統合は決まっていた」と話しました。久保元研究科長は海事科学部に名称がおちつくまでの経緯を、石田元研究科長は文部科学省への申請の際、西田修身初代海事科学部長がふるった采配、決断の見事だったことを披露しました。

記念式典の後には午後4時から体育館で祝賀会も開催、約320人が10周年を記念して祝杯を挙げました。

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(海事科学研究科)