神戸大学

第10回留学生ホームカミングデイが開催されました

2013年10月31日

2013年10月26日、神戸大学百年記念館において、第10回留学生ホームカミングデイが開催されました。留学生ホームカミングデイは、「人・知・還流」を理念に、大学全体のホームカミングデイに先立ち、2002年より開催されており、本年記念すべき第10回留学生ホームカミングデイを開催するにいたりました。また、今年は、留学生センター創立20周年記念の節目の年にあたることから、本学が世界に誇る卒業留学生の方々を多数お招きし、記念式典を開催しました。

第一部の式典は、和太鼓の力強い調べとともに幕を開けました。留学生センター日本語講師の藤田公先生とその教え子の留学生達からなるチーム「留鼓太鼓」の皆さんが力強く躍動的な和太鼓の演奏を披露しました。

西尾茂留学生センター長の開会挨拶に続き、「神戸大学と私」と題した卒業生による特別記念講演を行いました。最初にご登壇くださったのは、セルダヘイ・イシュトヴァーン駐日ハンガリー共和国特命全権大使閣下 (1987年文学研究科修了) です。セルダヘイ大使閣下は、ご講演の中で、ハンガリーにて、神戸にゆかりのある作家、宮本輝さんと親交を深められ、そのご縁で神戸大学へ留学にいらっしゃったこと、宮本輝さんのご家庭にホームステイしながら神戸大学文学研究科に通われ、入学直後から、容赦なく日本語での研究生活が始まったこと、指導教員の先生やゼミ生との心温まる交流、また神戸での素敵な出会いなど、神戸大学での公私にわたる数々のエピソードを交えてご講演くださいました。

続いてご登壇くださったのは、徐一平教授 (1989年文化学研究科修了、北京外国語大学北京日本学研究センター長) です。徐教授は、中国における日本学研究、日本語教育研究を牽引しておられ、また、中国神戸大学同窓会会長として、中国人卒業生と本学のネットワークの拡大、発展にご協力くださっています。ご講演の中で、北京日本学研究センターの活動内容や、中国神戸大学同窓会の活動の様子をご報告くださいました。

最後に、ルーマニアのバベシュ・ボヨイ大学からお越しくださったフレント・ロディカ准教授 (1997年~1999年、日本政府国費留学生として国際文化学研究科在籍) にご登壇いただきました。フレント准教授は、ご講演の中で現在書道家としてまた日本文学の研究者として現在の自分に至った経緯を述べながら、神戸大学時代に出会った様々出会い大変感謝していると述べられました。ご講演の間、六甲ホールのスクリーンにフレント准教授の気品高く美しい書の作品が映し出され、参加者を魅了していました。

特別記念講演に引き続き、朴鍾祐留学生センター教授が、留学生センターが中心となって推進している海外ネットワーク事業のあゆみを振り返りました。また、第10回留学生ホームカミングデイに合わせて、わざわざ台湾から駆けつけてくださった、台湾神戸大学同窓会の劉慶瑞会長が、台湾神戸大学同窓会の活動を報告してくださいました。劉会長は、2000年に本学国際協力研究科にて博士学位を取得され、現在は台湾の名門大学、輔仁大學にて教鞭をとっておられます。今回のホームカミングデイには、劉会長初め、5名の台湾神戸大学同窓会のメンバーの方々ご参加くださいました。内、劉会長含め3名の方々が、はるばる台湾からご参加くださいました。

次に、朴鍾祐教授の司会により、卒業生の方々の座談会を開催しました。座談会には、セルダヘイ大使閣下、徐一平教授、フレント准教授、劉慶瑞会長に加えて、もうお一方、スペシャルゲストとして、大手電機メーカーで勤めながら小説家としても活躍されているネザマフィー・シリンさん (2006年自然科学研究科修士課程修了) をお迎えしました。座談会の司会を務めた朴鍾祐留学生センター教授は、セルダヘイ大使閣下、徐教授のかつての学友でもあります。朴教授の軽妙かつ絶妙な司会により、座談会では、特別記念講演では聞くことが出来なかった、卒業生の方々の様々なエピソードが披露され、最後にそれぞれの登壇者が、後輩留学生に向けて力強い応援のメッセージを述べられました。

ホームカミングデイ第1部の最後を華やかに彩ったのは、神戸大学留学生による伝統衣装のファッションショーです。齊藤美穂留学生センター准教授の進行により、8カ国からの留学生達が色とりどりの美しい伝統衣装に身を包み、六甲ホールの舞台を飾りました。

第一部の式典終了後は、神戸・大阪の海を一望する百年記念館のプラットフォームと留学生センターに場所を移し、KUワールドフェスタ及びアラムナイティーパーティーを開催しました。留学生センター前センター長、中西泰洋神戸大学名誉教授による乾杯の音頭に続き、「留学生から見た神戸」と題したフォトコンテストの受賞作品の発表を行いました。フォトコンテストは、留学生センター創立20周年を記念して行われた初の試みで、10月10日までに28名の留学生から53作品の応募がありました。応募作品は、10月11日よりホームカミングデイ当日まで留学生センター内に展示され、一般の方による人気投票が行われました。当日の会場では特別審査員を務めてくださった本学の元留学生でフォトグラファーとして活躍されているイルコ・アレクサンダロフ氏の写真展示も行われました。授賞式では、投票の結果にもとづき、大賞・金賞・銀賞の3つの賞が授与されました。また、イルコ氏の選定による審査員特別賞も授与されました。

KUワールドフェスタでは、「留鼓太鼓」の再登場に続き、マレーシア、インドネシア、ベトナム、タイの留学生達が、それぞれ伝統舞踊を披露してくれた他、「留鼓太鼓」の皆さんによる和太鼓とタイの学生による民族舞踊の体験レッスンが開かれました。

第10回留学生ホームカミングデイは、節目の年にふさわしく、各界の第一線で活躍する本学が誇る卒業生の方々にお越しいただき、記念の行事を開催することが出来ました。今回、卒業生とそのご家族、在学生、元教職員、現教職員、総勢約230名の方々が一堂に会し、それぞれ再会を喜び合い、また新たな出会いを楽しみ、實平雅夫留学生センター副センター長の閉会の辞をもって盛会のうちに終了しました。

(留学生センター)