神戸大学

ブリュッセルオフィスにて「日本は学問界で重要性を保てるか? 欧州における日本研究に関するフォローアップ2013」を開催しました

2013年12月10日

昨年度の同時期に開催した欧州における日本研究の実態を討議するワークショップのフォローアップワークショップを、2013年10月10日(木)に神戸大学ブリュッセルオフィス (KUBEC) にて開催しました。

ワークショップには神戸大学から法学研究科の蓑原俊洋教授、関根由紀教授、および経済学研究科の松林洋一教授 (現在ブリュッセルのBruegelシンクタンクにて在外研究中) が参加し、欧州側は日本研究 (L. Hagstrom氏・スウェーデン)、経済学 (S. Lechevalier氏・仏)、政治学 (Y. Vanderborght氏・ベルギー)、在ベルギー日本側からは三井物産ベネルクス支社 (T. Tomonaga氏)、国際交流基金 (T. Shimane氏)、日本大使館 (M. Kiya氏) をお迎えし、2つのセッション (セッション1「欧州における日本研究の現状と課題」・セッション2「日本を研究対象とする分野研究の現状と課題」) において、欧州の学問界での日本の位置付けを日本研究、及び分野研究の側面からそれぞれ議論し、現状および課題を確認すると共に、神戸大学が今後、ブリュッセルオフィス (KUBEC) を利用してどのような貢献を行えるか検討しました。

欧州大学では、昨年と同様に日本学科の学生数の減少は見られず若者の日本に対する関心が衰えていないことが確認される一方で、経済学・経営学を専攻する学生の関心が日本から中国にシフトしていることが指摘され、日本研究に関しては、少なくとも北欧においては有力な研究機関が存続しており、財源も持続されていることが確認されました。ただし課題として、日本人研究者の情報がインターネット等を通して得られにくいことと (反論もあり)、有力な研究者が国際的な研究協力にそれほど積極的ではない傾向が課題となっているとの指摘がありました。

経済学、政治学、社会学等の分野では、理系の分野と比較して遅れがあるものの、近年日本の研究機関との共同研究を積極的に行おうとする動きが増加しており、仏社会科学高等研究院 (EHESS) 日仏財団、および日本財団による支援が代表者により紹介され、同様に上で指摘されたように日本側の研究者情報が少ないことや、社会科学の分野での日本の研究界の国際化の遅れが課題として確認されました。

神戸大学ブリュッセルオフィスは、日欧研究交流、およびネットワーキングの場として適しており、今後も引き続き、セミナー、研究会の開催、遠隔講義システムを利用し、日欧の大学の学生交流に役立ててほしいとの要望がVanderborght教授、日本大使館 (紀谷公使) から要望があり、大使館も協力すること、など有用な助言がなされました。

引き続き夕方のワーキングディナーでは、読売新聞ブリュッセル支社長 (寺口亮一氏) も加わり、継続して意見交換が行われました。

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(法学研究科)