神戸大学

英語、日本語で熱い弁論展開 第7回模擬仲裁日本大会

2014年02月24日

2月23日(日)、神戸大学六甲台キャンパス法学部学舎と模擬法廷棟ラ・クールを会場として第7回模擬仲裁日本大会 (Vis Japan) が開かれました。早稲田大学、名古屋大学、同志社大学、神戸大学の5大学から60人の学生が参加。2人1チームが申立人、被申立人の両サイドに分かれて、架空の企業間紛争を題材に対戦、ポイントを押さえた事実把握と、正確な法律の調査分析に基づいた明確なプレゼンをしたかなど、国際弁護士としてのパフォーマンスを競いました。15試合中9試合は英語での対戦でした。

今年3~4月に香港とウィーンで開催される模擬国際商事仲裁大会「Vis Moot」に向けたオープン戦。国際商取引学会が主催、神戸大学グローバル人材育成推進事業、日本商事仲裁協会大阪事務所、日本仲裁人協会関西支部、神戸大学法学研究科、凌霜会・六甲台後援会の協賛で開催されました。

「仲裁」は紛争の当事者が民間の専門家 (仲裁人) に判断を委ね、仲裁判断 (仲裁人の下した裁定) に従うという当事者の合意に基づく紛争解決制度で、国際的な企業間の紛争解決で頻繁に用いられます。「模擬仲裁」は実際の仲裁に近い状況下で、学生たちに仲裁を担当する法律家の仕事の厳密なシミュレーション体験をさせるものです。学生たちは自らの主張を記載し、さらに相手方の主張に反論する準備書面を事前に提出した上で、仲裁人の面前で弁論を展開します。

この日の課題は、香港、ウィーンで行われるVis Mootと共通。がん治療器のメーカーがよその国の病院に2回にわたって製品を納入する際に起きた架空のトラブルを想定しました。各チームは事前に事案の概要や取り交わした文書、契約書など56ページにのぼる英語の資料と相手方の準備書面を詳細に検討し、これを元に原告側・被告側の弁護士として当日の弁論に臨みました。

仲裁人役は海外の仲裁人、外務省、東京、大阪の大手法律事務所のエキスパート、が3人1組で務めました。学生たちは2回にわたって別々に契約したものを併合して仲裁するべきか、裁判所への上訴を認める条項は有効かなどのポイントを巡ってプレゼンし、お互いの主張に論拠をあげながら反論しました。対戦の後で仲裁人が講評。「自分の主張が多少弱いと思っても、仲裁人にアイコンタクトしながらメリハリをつけたプレゼンをしてはどうか」「仲裁人自身迷うポイントを質問します。その意図をくんで明快に答えてください」など、国際大会に向けての貴重なアドバイスが飛び交いました。

審査の結果、今年の日本大会1位は早稲田大学久保田ゼミ、2位は名古屋大学、3位は同志社大学、4位は神戸大学、5位は早稲田大学浜辺ゼミでした。最優秀弁論者には早稲田大学久保田ゼミの宇多川真帆さんが選ばれました。

閉会式では、国連国際商取引委員会アジアパシフィックセンター長のリベイロ氏と香港大学教授で香港・中国で活躍する著名な仲裁人である趙雲教授による記念講演が行われ、お二人から、今後の神戸大学のこうした活動にたいしてこれからも積極的に協力したいとの強い意向が示されました。

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(広報室)