神戸大学

附属中等教育学校生、江戸期の旗振り通信復活に成功

2014年03月10日

ポスター (PDF形式)

神戸大学附属中等教育学校5年生全員142人が3月10日(月)午前、神戸市内の金鳥山~摩耶山、神戸大学本部~神戸市役所、ビーナスブリッジ~神戸空港の3コース、全長20キロで、江戸時代に堂島の米相場の価格を各地に伝えるために使われた「旗振り通信」を現代に応用する試みに挑戦し成功しました。

大旗 (100センチ×150センチ) 10本、中旗 (90センチ×135センチ) 10本を用意。金鳥山発のAコースは7カ所、神戸大学発のBコースは6カ所、ビーナスブリッジ発のCコースは6カ所の中継でした。大旗は屋外、中旗は屋内や距離の短いポイントで使用しました。旗を右回り何回、左回り何回するかで50音をあてはめており、いかに正確に確認するかがポイントでした。

10日の神戸大学六甲キャンパスは快晴。フロンティア館屋上のAコース中継点では午前10時過ぎに渦が森の中継点からの旗振り通信を女生徒が双眼鏡で一文字ずつ確認。最後に通信受領の返事を渦が森へ旗で返事して終了。同時にすぐ下の六甲台グラウンドにいるチームまで伝令が走り、グラウンドから2キロ以上離れた摩耶山・掬星台までメッセージを旗でリレーしました。


この日のメッセージはAコースが「ありがとう」、Bコースが「がんばろう」、Cコースが「みんなのみらい」。所要時間はAコース59分、Bコース38分、Cコース40分でした。

また、旗振りが飛脚以上のスピードだったと伝えられることから、同時に生徒による駅伝も金鳥山―神戸市役所間で行い、旗振りのスピードと比較。旗振り通信の3コース平均は1分あたり146メートル、駅伝は144メートルでわずかに旗振り通信に軍配が上がりました。

この旗振り通信を現代に蘇らせる試みは、髙槻泰郎・神戸大学経済経営研究所准教授が昨年12月から今年1月にかけて、中等教育学校で旗振り通信によって情報伝達のスピードが上がったことを講義。興味を持った生徒たちが実験にこぎつけたものです。髙槻准教授は「生徒たちの実行力のすごさにただ感心するばかりです」と話していました。

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(広報室)