神戸大学

ロンドンで地域の復興のために学校教育をテーマにセミナーを開催しました

2014年12月02日

神戸大学は11月14日、国際交流基金ロンドン日本文化センターと宮城教育大学との共催により、「Education and its responsibility for the reconstruction of regions-Tohoku and Kobe-」をテーマにしたセミナーを国際交流基金ロンドン日本文化センターにて開催しました。

柳澤賢一 国際交流基金ロンドン日本文化センター所長による挨拶の後、油井清光 神戸大学国際交流推進機構EU総合学術センター長・人文学研究科教授の司会により、神戸大学及び宮城教育大学から阪神淡路大震災及び東日本大震災後の地域の復興のための学校教育、特にESD教育について研究成果が報告されました。

松田毅 神戸大学大学院人文学研究科教授は、阪神大震災で問題が露呈した、地震災害に起因するアスベスト被害に関する教育について紹介しました。小田隆史 宮城教育大学准教授は、阪神大震災後日本の学校教育で、ESD教育の一環として実施されるようになった減災教育の東日本大震災後の変化と教員のトレーニング方法の改編について紹介しました。小金澤孝昭 宮城教育大学教授は、仙台市及び気仙沼市における沿海各地域の津波と防潮林の復元に関する教育にスポットをあて、地形的特長にあわせたESD教育の実施状況を報告しました。最後にRos Wade ロンドンサウスバンク大学教授が、各報告者の報告内容の総括を行い、現在起きている社会問題や環境問題への応用という観点から、災害経験の少ない英国において、日本における地震災害に関するESD研究を知ることの重要性を指摘しました。

セミナーには英国の大学や企業から約50名が参加し、報告終了後の質疑応答では、阪神大震災と東日本大震災の違い、被災地以外へのESD教育の波及についてなど多角的な質問が相次ぎ、活発な議論が展開されました。参加者から回答いただいたアンケートでも本セミナーは高く評価されており、震災復興の現状とその過程における被災地の大学の役割について認識が深まる機会となりました。

(国際部国際企画課)