2015年に創部100周年を迎える神戸大学山岳部が今秋、中国チベット自治区ニェンチンタンラ(念青唐拉)西山群の未踏峰バダリ峰(6516メートル)の初登頂に挑みます。
山岳部はこれまで、1986年当時の未踏峰では世界第2位の高さを誇るクーラカンリ峰(7554メートル)の初登頂に成功、同時にチベットや四川省で学術調査を実施し多くの成果を挙げるなど、世界各地にその足跡を残しています。特に中国では中国地質大学と合同でこれまでチェルー峰(6168メートル)、ロプチン峰(6805メートル)登頂するなど登山・学術交流を発展させてきました。 今回の登山も中国地質大学と合同で実施(念青唐古拉西山群登山隊)、日本側からは隊長、隊員、医師7人、中国側からは隊長、隊員計10人程度(うち2名はチベット人学生)が参加する予定です。
当初の予定では登山対象は東チベットのカンリガルポ山群の未踏峰KG-17(6536メートル)でしたが、中国の国内事情により入域の許可がおりず、登山対象の変更を余儀なくされました。バダリ峰については登山許可がおり、すでに2014年11月と2015年4月に現地偵察を実施しています。
神戸大学山岳部では、未知を求めて未踏峰を目指すスタイルを踏襲しており、その活動は世界の登山界からも注目されています。また、登山を通じた日本と中国の学生の交流が日中友好に果たす役割も少なくありません。
計画概要
- 登山隊名称
- 神戸大学・中国地質大学(武漢)合同登山隊
- ニェンチンタンラ西山群の未踏峰バダリ峰(6516メートル)初登頂
- 登山を通じて日中大学の友好交流
- 期間
- 2015年10月6日~11月中旬
- 隊の構成(予定)
- 【日本側】隊長、隊員、医師 計7名
【中国側】隊長、隊員 計10名程度(うち2名はチベット人学生) - 予算
- 日本側費用 約1000万円
内訳
- 装備・食料費 200万円
- 渡航費(関西空港~ラサ往復) 200万円
- 現地費用(交通・宿泊・ポーター等) 200万円
- 登山許可料・保険・雑費等 400万円
- 実行委員会
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- 実行委員長
- 神戸大学大学院農学研究科教授 山形 裕士
TEL・FAX: 078-803-5875
E-mail: yamagata@kobe-u. ac.jp※メールアドレスの一部 (ac.jp の前など) には、アドレス収集ロボット対策として半角スペースが挿入されております。メールアドレスご使用の際には、適宜修正願います。
- 山岳会事務局長
- 山田 健
神戸大学山岳部・山岳会海外登山小史
- 1958年
- 日本チリ合同パタゴニア・アンデス探検隊(隊長 田中薫教授)
パタゴニア北部氷床調査、アレナレス峰(3437メートル)初登頂 - 1959年
- 第二次日本チリ合同中央アンデス探検隊(隊長 太田直之)
セロ・コーベ峰(5050メートル)初登頂 - 1963年
- ボリビア・アンデス遠征隊(隊長 金井健二)
イリマニ峰(6447メートル)登頂 - 1968年
- カナダ・ユーコン学術登山隊(隊長 中西哲教授)
スティール峰(5071メートル)登頂、学術調査 - 1976年
- 第二次カラコルム遠征隊(隊長 平井一正教授)
シェルピカンリ峰(7380メートル)初登頂、周辺学術調査 - 1983年
- ネパールヒマラヤ登山隊(隊長 長谷川浩)
パルチャモ峰(6282メートル)登頂 - 1986年
- チベット学術登山隊(隊長平井一正教授)
クーラカンリ峰(7554メートル)初登頂、川蔵公路初学術踏査 - 1988年
- 神戸大学・中国地質大学合同登山隊(隊長 北口博教)
チェルー山(6168メートル)初登頂、周辺学術調査 - 2003年
- 東チベット学術調査隊(隊長 平井一正名誉教授)
ルオニイ峰(6884メートル)登頂断念 - 2009年
- 神戸大学・中国地質大学(武漢)合同崗日嘎布山群学術登山隊
ロプチン峰(6805メートル) 初登頂(董范、井上達男 共同隊長)