神戸大学

神戸大学グローバルリンク・フォーラムin台北を開催しました

2015年12月09日

12月3-4日、国立台湾大学 (台北) で「神戸大学グローバルリンク・フォーラムin台北」を開催しました。

神戸大学グローバルリンク・フォーラムは、海外同窓会ネットワーク及び海外協定機関との積極的な連携を通し、本学の教育研究活動を促進し、「神戸大学ブランド」を世界に発信することを目的としています。6回目となる今回は、「日台関係の再認識-科学技術イノベーションにおける協力-」をテーマに、日本・台湾の専門家がそれぞれの立場から現状と課題を報告し、議論を行いました。

1日目午前のオープニングセッションは、井上典之理事・副学長の開会挨拶に始まり、黄冠超中華民国教育部国際及両岸教育司副参事、浜田隆公益財団法人交流協会台北事務所総務部長、及び張大維台湾神戸大学同窓会代表から祝辞を頂きました。続いて、武田廣学長と張慶瑞国立台湾大学副学長が基調講演を行い、両大学の国際的な教育研究活動を紹介しました。

午後からは、「東アジアの人文社会科学研究の最前線」をテーマに、黄磷中国事務所長の司会のもと、人文科学及び社会科学の分野で6名の研究者による講演が行われました。人文科学の部では、緒形康アジア総合学術センター長が “Historical Consciousness and the China Model”、黄俊傑国立台湾大学人文社会高等研究院長が “Why Speak of “EastAsian Confucianisms”?” の題目で講演を行いました。社会科学の部では、尾崎弘之経営学研究科教授が “Innovation Made by Technological Entrepreneurs in Japan: Challenge of KOBE’s Inter disciplinary Education”、林建甫国立台湾大学人文社会高等研究院副院長が “The cooperation of industries between Taiwan and Japan”、堀江進也経済学研究科特命講師が “Sustainable Strategies for Recovery from Natural Disasters”、孫智麗台湾経済研究院生物科技産業研究センター長が “Taiwan Agricultural Technology Foresight 2025” の題目でそれぞれ講演を行いました。それぞれの部でディスカッションの時間が設けられ、司会者及び講演者による議論に、参加者は熱心に耳を傾けました。

2日目午前は、「アジアにおける新興・再興感染症研究の最前線」をテーマに、高田哲保健学研究科長の司会のもと、日本・台湾における感染症研究の現状について5名の研究者による講演が行われました。堀田博保健学研究科特命教授が “International Collaborative Research on Infectious: GRID(MEXT), SATREPS(JST/JICA), A*STAR (Singapore), JSPS program”、亀岡正典保健学研究科准教授が “Characterization of Southeast Asian type of HIV”、白川利朗保健学研究科教授が “Development of the novel oral vaccine platformutilizing bifidobacteria”、蔡行瀚台北医学大学公共衛生栄養学院長が “Telemedicine and Emergency Air Medical Services”、陳培哲国立台湾大学医学院臨床医学研究所教授が “Novel immunotherapy to Cure Chronic HBV Infection by Using a Convenient Immunocompetent Mouse Model”の題目でそれぞれ講演を行いました。

午後からは、「エネルギー・環境問題の解決に資する先端膜工学」をテーマに、膜工学の研究の現状に加え、膜技術が環境問題等の解決にどのように寄与するかについて、5名の研究者による講演が行われました。松山秀人先端膜工学センター長の “Development of Innovative Membranes for Water Treatment and CO2 Separation” と題する講演に始まり、王大銘国立台湾大学化学工程学系主任が "Morphology Control of Polymeric Membranes: Roles of Polymer Chain Entanglement”、神尾英治工学研究科助教が “Tough Ion Gel Membranes Containing Amino Acid IonicLiquid as a CO2 Carrier”、童国倫国立台湾大学化学工程学系教授が “Development of Novel Aerogel Membranes to Resolvethe Carbon Abundance and Water Scarcity Issues”、李魁然中原大学薄膜技術研発センター長が “Polymeric membrane microstructure characterization by positron annihilation spectroscopy” の題目でそれぞれ講演を行いました。

研究者・大学院生をはじめ、多数の聴衆が各講演に耳を傾け、各セッションの終わりに設けられたディスカッションでは活発な討論が行われました。

最後に、武田廣学長による閉会挨拶をもって、2日間にわたる講演会は盛況のうちに幕を閉じました。

フォーラム終了後、台湾同窓会ネットワーキングが開催され、同窓生、本学関係者、台湾大学関係者等、110名を越える方々が参加しました。パネル・ディスカッションの部では、同窓生による報告が行われ、陳雅琪さんが “The Collaboration Between Taiwan and Japan in Mobile Innovation”、鄭如娟さんが “Comparison between northern and southern Taiwanese cuisine”、劉仁傑さんが “The frontier of Taiwanese manufacturing innovation” の題目でそれぞれ報告し、神戸大学留学後のビジネスや学界でのご活躍の近況を紹介されました。植松賢治神戸国際協力交流センター常務理事からも神戸市の国際交流の現状について、紹介がありました。

台北市のみならず、台湾各地から集まった多数の同窓生と本学関係者との間で交流が行われ、留学時代の思い出話や、恩師との再会など、話が尽きることはありませんでした。

来年度の同フォーラムは、インドネシアにて挙行される予定です。

(国際部国際企画課)