神戸大学

附属小学校と農学研究科附属食資源教育研究センターがお米を作り、みんなで食べました

2016年01月08日

10/27(火)附属小学校の中庭の田んぼで児童と稲刈りを行いました

附属小学校2年生は「お米をそだててあじわおう」という学習を毎年行っています。自分たちが日頃食べるお米について、田植えから収穫そして食べることを通じて、食の大切さやお米作りの大変さを学ぶことを目指しています。その学習支援のために農学研究科附属食資源教育研究センター(以下、食資源センター)の山崎将紀准教授と大学院生の合田喬、前田道弘が参加しました。

児童達が自分の手を使って植えたイネは、一生懸命にお世話をした甲斐もあってお米がたわわに実っており、私たちも感心しました。

山崎准教授が稲刈りのやり方を説明し、附属小学校の先生方や私たちのサポートを受けながら児童は真剣にイネを刈りました。刈り取ったイネは次回の脱穀のために天日干しされました。稲刈り終了後にはお米についての質問コーナーもあり、児童たちは積極的に質問をしていました。

児童の感想

  • うえる時はすごく小さかったけど、6週間くらいたってうえた時とくらべると、とーっても大きくなっていました。今日は、「あぁついにいねかりだ、たのしみ。」という気もちでした。
  • 今までいねかりを見たのはきかいでかっているのだけだったけれど、今日は見るだけではなく、学校で体けんできてたのしかったし、うれしかったし、大きくなった時にやく立つとかんじました。さいごにお米のしつもんにほとんど答えていた山さき先生みたいに、少しでもいいからお米のことをもっと知りたいと思いました。

11/6(金)刈り取った稲の脱穀を行いました

本来は11/2(火)に予定されていた脱穀ですが、あいにくの雨天によって延期となり11/6(金)に行われました。今回は山崎准教授や我々大学院生に加え、食資源センターの作物系主任の橋爪浩和技術専門職員も参加しました。まず、児童たちは割り箸とビニール袋を使って自分の手で脱穀に挑戦し、その後に機械を利用した脱穀を体験しました。

みんなで頑張って脱穀や選別されてできた玄米は山崎准教授から児童へと手渡されました。

その後、前回に引き続き質問コーナーがあり、児童達は様々な質問を投げかけていました。すっかり恒例となった附属小学校でのイネの栽培ですが、普段自分が食べているお米ができるまでを実際に学ぶだけでなく、田んぼに集まる生き物に興味を持ったりもして、児童達にとっては貴重な経験を得る機会になっているのではないかと思います。

児童の感想など

  • お米をとる時、ぼろぼろおちるのがおもしろかったです。虫が食べているお米やわれちゃっているお米をとる時が、手ざわりがよくてきもちよかったです。
  • きゅう食やお家で食べているお米は白いけれど、今回だっこくしたばかりのお米は少しちゃいろくて、「げん米」というお米でした。いつも食べているお米とちがうからいわかんをかんじましたが、一回食べてみたいなと思いました。げん米から「白米」にどうやってへんしんするのかも見てみたいです。なえをうえてからみんなできょう力して作ったお米だから、食べるのはもったいないけれど、しっかりあじわって食べたいです。
  • 手作ぎょうだったらあんなに時間がかかったのに、きかいでやってみると早くできることがわかりました。手作ぎょうでやるとむずかしいことが分かりました。手作ぎょうでいっぱいしていると、なれてきていることに気づきました。またいねかりとだっこくをしてみたいです。

12/12(土)収穫したお米をみんなで食べました

今回初めて附属小の先生と児童からお招きいただき、山崎准教授と我々大学院生が試食会に参加しました。今回栽培した品種「はいごころ」は、お米の胚が大きい特徴のため、胚を削らないように玄米のままで白米に混ぜて炊きました。玄米の独特の食感が初めての児童も多かったようですが、概ね美味しいと好評でした。また、食資源センターから「ゆかりの舞」という紫黒米を混ぜ込んだご飯も持って行き、こちらも好評でした。 食べ終わった後には、児童達がお米の学習を通して感じたこと、気付いたことなどを発表し、山崎准教授にお米に関する質問をしていました。今回は多くの保護者の方もお越しになっておられたので、ご家族でお米に興味を持っていただく良い機会になったのではないかと思います。

児童の感想など

  • 自分たちでそだてたお米をおにぎりにして食べられて、とてもうれしかったです。
  • プチプチとしていて、ふしぎな食かんでした。
  • ふだんは何も考えずに気がるに食べていたお米でしたが、スーパーのお米もだれかがくろうして作ったお米だというのが分かりました。
  • 今回は2年生全員で力を合わせてがんばったけど、のう家の人たちは、人数が少ないからもっと大へんだろうなと思いました。
  • またお米をそだててみたいなと思いました。

全体を通して 保護者より

  • いつも当たり前に食べているお米が、こんなにも手がかかり、大変な作業を経ているということがよく分かったみたいでとてもよかったです。
  • 稲をそだてて収穫するだけではなく、食べることのありがたさにも気づける学びを、親子で体験できました。
  • 普段食べている野菜や果物などは、生産者の声を聞くことができませんが、今回の学習を通して、自分たちが食べているものは多くの方々の努力があるということを学ぶことができたと思います。
  • 稲を育てるようになって、お米を大切に食べるようになったように思います。スーパーマーケットでも、お米のコーナーをよく見るようになりました。一番身近な食べ物であるお米に関心をもち、大切に育てることで、感謝の気持ちをもって日々食事ができりようになると思います。
  • 田植え、稲刈り、脱穀にいたる一連の過程を体験し、米づくりの体験を通して、自分たちが毎日食べているお米について、興味をもつことができたようです。一粒のお米も大切である事とともに、昔ながらのやり方ではみんなが力を合わせなければできたいということも学べる機会だったと思います。これを機会に、家庭でも、日本人に欠かせない「お米」の食べ方について話し合ってみたいと思います。
  • お米作りを通して、たくさんの学びと喜びをくださった、神戸大学の方々に感謝いたします。ご指導ありがとうございました。

(農学研究科附属食資源教育研究センター)