神戸大学

赤道ギニア内閣府主催の社会保障に関するワークショップで基調講演をしました

2016年06月15日

2016年5月30日から6月2日の4日間、赤道ギニア内閣府と国連児童基金 (ユニセフ) 主催の社会保障改善に関するワークショップが開催され、国際協力研究科の小川啓一教授が「社会的移転制度 (Social Transfer System)」をテーマに基調講演を行いました。本ワークショップには、赤道ギニアの大統領夫人や副総理大臣を始め、内閣府、法務省、経済計画公共投資省、保健社会福祉省、教育科学省など社会保障に関係する省庁からも局長・次長クラスの上級官僚や赤道ギニアを支援する国連機関、民間セクターから150人の代表者が参加しました。

赤道ギニアは、約20年前に原油と天然ガスが見つかって以来、急激な経済成長を経験しましたが、近年の原油・天然ガスの低価格化により経済が伸び悩んでいます。現在でも国民の8割近くが貧困ライン以下の生活をしており、保健医療や教育、社会保障といった人間開発の分野の普及が非常に遅れています。

小川教授は赤道ギニアにて、教育を含む社会保障に関する調査研究を実施しており、その研究成果が赤道ギニアの政府や援助機関に幅広く共有されています。4日間にわたり開催されたワークショップでは、小川教授が提唱した政策提言が参加者に採択され、ワークショップを通して、社会保障改善に関する実施計画書が政府関係者により作成されました。

赤道ギニアでは、これまでインフラ整備を中心に経済政策が施行されてきましたが、近年の原油と天然ガスの価格の下落で経済成長が遅れる中、貧困削減と持続的な経済発展を見据えて社会保障や教育、保健医療を中心とする人間開発の分野にも注力しようとしています。

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(国際協力研究科)