神戸大学

人文学研究科と国立民族学博物館が学術交流に関する協定を締結しました

2016年07月25日

平成28年7月15日、人文学研究科は、大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立民族学博物館と以下の課題に対応するために、学術交流に関する協定を締結しました。

  • (1) 国立大学と大学共同利用機関の連携に基づき、日本の各地域に存在する地域歴史文化資料の発見、保全、活用していく学術的なプロセスを明らかにし、それを地域歴史文化遺産として社会的に価値づけていく教育研究を進めること。
  • (2) 前述の教育研究を地域歴史文化遺産の防災及び、地震等の大規模災害時の緊急保存活動(レスキュー活動)に活かすこと。
  • (3) 地域密着型の地域文化研究を推進する体制と全国規模展開する大学間ネットワークを形成し、地域文化に立脚した人文科学のモデルを提示すること。

人文学研究科は、阪神淡路大震災の経験に基づき地域連携センターを設置し、災害時の古文書等の歴史資料保存に関する緊急活動のみならず、歴史文化を活かした地域づくりに資する教育と研究を全国の大学に先駆けて展開してきました。またこのような実践的研究を踏まえ、資料学を人文学の様々な領域研究に展開する手法の確立につとめてきました。

一方、国立民族学博物館は、民俗資料や無形文化財等を中心に、人文科学と自然科学を融合させた総合領域の観点から、地域文化の発見、保存、活用のための実践的な研究を展開し、現在「日本列島における地域文化の再発見とその表象システムの構築」をテーマに研究を進めています。

本協定に基づき、両者が兵庫県においてモデル地域を設定し、緊密な協力の下、具体的な事業展開を行うことで、地域文化に立脚した人文学研究を発信し、地域文化の価値を高めていく取組をすすめていくことができると考えています。

なおこの取組は、本年3月16日に、人文学研究科と国立歴史民俗博物館との間で取り交わした学術交流協定と密接な関係を持つものであり、人間文化研究機構に所属する大学共同利用機関と大学との連携による教育研究体制構築の新たな試みとしても重要な位置を占めるものです。

(人文学研究科)