神戸大学

附属中等教育学校「卒業研究優秀者発表会」を開催しました

2016年08月05日

2016年7月19日に神戸大学統合研究拠点コンベンションホールにおいて、附属中等教育学校「第3回生卒業研究優秀者発表会」を開催しました。

本校は、教育目標である「グローバルキャリア人」の育成に向けて、教育活動の柱の一つとして「Kobeポート・インテリジェンス・プロジェクト (Kobeプロジェクト)」を実施し、教科学習等で培った「見つける力」「調べる力」「まとめる力」「発表する力」及び「考える力」を「生きて働く力」へと転化させることを目指しています。

本発表会はKobeプロジェクトの集大成として位置付けており、当日は校内での口頭発表及び論文審査によって選ばれた7名が、山崎健附属学校部長をはじめとする大学教員出席の下、以下の研究テーマについて1年半に及ぶ個人研究の成果を披露しました。

  1. 「植物の生育環境の変化が花弁の濃淡に及ぼす影響」
  2. 「建築素材における低圧縮型木片コンクリートが与える未使用木材利用の可能性」
  3. 「民衆運動の普遍性-19世紀と現代の民衆運動から-」
  4. 「害虫と人とのつきあい方-ナメクジの実験から考える農薬に頼らない栽培方法-」
  5. 「『野球女子』の派生が観客動員数及び球団本拠地の観光客数に与えた影響」
  6. 「洗剤メーカー各社の油汚れに効果を示すことを宣伝活動の主題にした商品の濃度と洗浄能力の関係の比較」
  7. 「若者の投票率を上げるための政治教育とは-模擬選挙を用いた実験の投票率から見る情報刺激の効果-」
生徒発表の様子

各生徒の発表後、Kobeプロジェクトのアドバイザーである大学教育推進機構国際コミュニケーションセンターの石川慎一郎教授と大学院人間発達環境学研究科の林創准教授による講評が行われました。

事前指導もしていただいた石川教授からは、発表者一人ひとりに向けて、それぞれの研究の優れた点と今後の研究活動に向けた助言をお話しいただきました。

林准教授からは、「優れた研究と感じるには?」という問いかけで、研究に必要な条件やクリティカルシンキング (批判的思考) について、全体的な評価を交えながらお話しいただきました。また、発表毎に活発に質問が飛び交った様子から、聞き手によって更に研究が深まることがあるとの示唆をいただきました。

研究発表会の最後には、大学院法学研究科の多湖淳教授による「個人 (私たち) と国際社会」と題した講演会が行われました。国際政治学者として、戦争原因論について身近なことから分かりやすくお話しいただき、講演は多湖教授の質問に生徒が答えるという形式で進みました。また、研究に必要な手法について、テキスト分析やプレゼンテーションソフトウェア (Beamer) などを用いているといった実践的なお話に加え、大学での学びについての助言も聞くことができ、今後の研究や大学への意識も高めることができるたいへん貴重な時間となりました。

石川教授による講評
林准教授による講評
多湖教授による講演

(附属学校部)