神戸大学

第4回日本研究センター長フォーラムを開催しました

2016年10月13日

神戸大学国際連携推進機構アジア総合学術センターは、9月23日、「第4回日本研究センター長フォーラム―公共財としての日本研究―」を神戸大学瀧川記念学術交流会館大会議室にて開催しました。様々な角度から特に日本研究に力を注いでいるアジアの主要大学より、著名な研究者6名を招へいし、「公共財としての日本研究」をテーマに、発表及び議論を行いました。

今年は新たな試みとして、現代日本プログラム運営会議とヨーロッパ日本研究協会 (EAJS) との共催で現代日本プログラムキックオフシンポジウムの一環としてフォーラムを行いました。現代日本プログラムは、神戸大学協定校からの交換留学生 (特別聴講学生) を対象とした、日本文化社会等について英語で学ぶ教育プログラムです。

シンポジウムは、井上典之国際担当理事・副学長、国際連携推進機構長の開会挨拶から始まりました。その後、油井清光学長補佐による現代日本プログラムの紹介の後、EYAL Ben-Ariキネレット学術大学キネレット平和・安全及び社会センター所長が、「比較視点から見る日本学:地域研究はどのように構成されているのか」の題目で基調講演を行いました。

その後、第4回日本研究センター長フォーラムが始まり、緒形康アジア総合学術センター長司会のもとに、セッション1では「少子高齢化」をテーマに、南基正ソウル国立大学校日本研究所副教授が、少子高齢化と安全保障の側面から、日本の知見と日韓協力の可能性について、IKAPUTRAガジャマダ大学工学部建築都市計画学科建築・都市デザイン専攻長が、ジョクジャカルタ地震後における障害(Different Ability)のある人々と災害について、講演を行いました。

セッション2では「移動と共生」をテーマに、THANG Leng Lengシンガポール国立大学日本研究学科長が、西オーストラリアの日本人の晩年移住に見られる帰属意識と移動性・不動性について、邢永鳳山東大学外国語学部・日本語学科長、山東大学日本研究センター主任が、在日新華僑の有り様について、講演を行いました。

セッション3では「技術と倫理」をテーマに、王秋菊東北大学外国語学院副院長・教授、中日文化比較研究所長が、公共財としての日本の「社会技術」研究について、呉偉明香港中文大学教養学部副学部長・比較日本学研究センター長・日本研究学科学科長が、日本研究における現代技術の影響について、講演を行いました。

その後、関根由紀法学研究科教授司会のもとに、FRELLESVIG Bjarkeオックスフォード大学東洋学研究所日本語研究センター長・教授/ヨーロッパ日本研究協会会長、南基正ソウル大学日本研究所副教授、THANG Leng Lengシンガポール国立大学日本研究学科准教授/学科長、呉偉明香港中文大学教養学部副学部長・比較日本学研究センター長・日本研究学科学科長、油井清光学長補佐、坂井一成国際文化学研究科教授、平井晶子人文学研究科准教授の各先生が登壇し、ラウンドテーブルが行われました。そこでは、「公共財としての日本研究」をテーマに、聴衆も参加した活発な議論が行われました。今回の共催プログラムに示されたように、今後、研究者間の学術交流が一層深まり、アジア、ヨーロッパ、世界各国の研究者・大学との交流が進むことが期待されます。

(国際部国際企画課)