神戸大学

震災復興支援・災害科学研究推進室 第5回シンポジウムを開催しました

2016年10月13日

平成28年10月3日に本学百年記念館において、「震災の経験を活かしていくために」というテーマのもと、震災復興支援・災害科学研究推進室による講演、パネルディスカッション及び震災復興支援・災害科学研究推進活動を紹介したポスター展示が行われました。

室長の杉村理事司会のもと、武田学長の挨拶では、今回のシンポジウムが熊本地震を踏まえたテーマとなっており、神戸大学として出来うる限りの救援・支援活動を継続して行うことが述べられました。

講演では、大阪大学医学系研究科の池田学教授から、「熊本地震の現状と課題~精神医学の観点から~」と題し、被災地域の精神保健医療の提供と精神保健活動の支援するための災害派遣精神医療チーム (DPAT) の受入れや、精神科病院から約600人もの患者が熊本県内外に転院搬送されたことなどが報告されました。また、本学工学研究科の近藤民代准教授からは、「阪神・淡路大震災の経験はどのように活かされているか:阪神→東北→熊本→?」と題し、避難所、応急仮設住宅、住宅再建などの課題を取り上げ、阪神・淡路大震災で被害を受けた市街地の再開発事業がいまだに継続している状況が報告されました。さらに、東北大学災害科学国際研究所の井内加奈子准教授からは、「東日本大震災の復興過程の多様性:生活・住まいの再建に注目して」と題し、東北でのまちづくりの復興状況を紹介し、各県・市町村によって、復興の実態はさまざまであることが報告されました。

パネルディスカッションでは、3人の講演者に加えて、岩手大学地域防災センターの菊池義浩特任助教、徳島大学地域創生センターの井若学術研究員、熊本大学先端科学研究部の松田博貴教授など各地の研究者と本学研究者を加え、本学地域連携推進室の奥村弘室長の司会のもと、今回のシンポジウムのテーマである「震災の経験を活かしていくために」という観点から、震災を経験した神戸大学、東北大学、岩手大学等がこれまで行ってきた復興支援活動や災害科学研究の取組みの意義や効果について議論し、今後起こり得る巨大災害への備えや震災復興・災害科学活動への期待などについて意見が交わされました。

ポスター展示では、17事業のポスターが展示され、参加者が各事業者の説明に熱心に聞き入っていました。

(研究推進課)