神戸大学

社会システムイノベーションセンター設立記念講演会 (第1回) を開催しました

2016年11月10日

2016年10月24日、神戸大学百年記念館にて、神戸大学社会システムイノベーションセンター設立記念行事として、同センター主催でベンジャミン・フリードマン教授 (ハーバード大学) の講演会を開催しました。

社会システムイノベーションセンターは、2016年4月に、社会システムイノベーションの総合的研究をより強力に進める拠点として、2012年4月に設置されていた神戸大学社会科学系教育研究府 (社系府) を改組して、新たに創設されました。本センターは、これまで社系府で行われてきた分野横断研究を継承し、本年に設置された科学技術イノベーション研究科等の学内研究組織とも連携して、社会システムイノベーションを通じて社会課題の解決に貢献する文理融合研究を推進しています。

その設立記念講演会として、3回の連続講演会を企画しました。その第1回目の講演会では、アメリカを代表する世界的に著名な金融経済学者であり、その著作の多くが日本語にも翻訳され広く読まれている、ベンジャミン・フリードマン教授 (ハーバード大学) を講師としてお招きし、Limited Economic Growth and the Rise of Political Populismと題する講演をしていただきました。

フリードマン教授は、世界各地で極端な主張をするグループ (ポピュリズム) が台頭していることを指摘した上で、その原因として、経済成長の低迷 (とくに生産性の低迷) や経済格差の拡大によって、平均的な人々の生活水準が低迷していることを詳しく説明されました。そして、経済低迷とポピュリズムが相互に強化し合うような悪循環に陥ってしまうことが非常に心配であり、そのような問題を避けるために、経済成長の再加速や格差の是正措置に向けた政策対応を急がねばならないと提言されました。

講演後には、学生等から多数の質問が寄せられ、フリードマン教授との間で熱心な討論が行われました。

(社会システムイノベーションセンター)