神戸大学

ベトナム教育訓練省官僚と国際援助機関専門家を対象にワークショップを開催しました

2016年12月12日

大学院国際協力研究科では、平成28年度文部科学省政府開発援助ユネスコ活動補助事業「アセアンにおける教育の質改善に貢献し得る教員政策現状分析、および効率的な教員配置戦略の提言 (総括: 小川啓一教授)」を、カンボジア、ベトナム、ラオスを対象に実施しています。本事業の一環として、2016年11月29日、ベトナムの首都ハノイの教育訓練省において、効率的な教員配置戦略に関する第1回目のワークショップを、ユネスコ・アジア太平洋地域教育局との共催で開催しました。本ワークショップは、ベトナム教育訓練省のブイ・ヴァン・ガー副大臣をはじめ、教育訓練省 (中央・省・県レベル) の局長・次長級の上級官僚、ベトナム国立教育科学研究所の担当官やベトナム国家大学教員、ユネスコや世界銀行の教育専門家を含む、40名程の関係者の参加を得ました。

ワークショップの前半では本研究の現地調査結果の分析で明らかになった同国の効率的かつ公正な教員配置における課題とともに、その克服に向けた新たな戦略の提言に関する発表を、神戸大学とユネスコ・アジア太平洋地域教育局の研究チームが行いました。ワークショップの後半では、発表された研究結果や提言の妥当性や、その他の課題や戦略の可能性について、参加者が少人数に分かれてディスカッションを実施しました。グループディスカッションを通して、中央レベルの教育訓練省担当官の意見にとどまらず、現地調査の対象となった省・県レベルの担当官の意見も収集することに努めました。また、大学等の研究機関、国際機関やNGO等の開発パートナーからも、研究結果に対する貴重なコメントをいただくことができました。

本ワークショップの前には、ブイ・ヴァン・ガー教育副大臣の表敬訪問を実施して本プロジェクトについての説明を行い、副大臣からは、ベトナムが現在、重要視する教員の問題に焦点を当てた本プロジェクトを実施する神戸大学、ユネスコに対する感謝の意が述べられました。この中で副大臣は、平成25年から3年間にわたり、ユネスコ・アジア太平洋地域教育局と共同で実施した研究プロジェクトや、本研究科が実施している国際協力機構 (JICA) の課題別研修を通じ、神戸大学が同国の行政官の教育行財政に関する分析・計画立案能力強化に対し行ってきた多大な貢献に触れられ、ベトナムの教育改革推進へむけたさらなる協力を期待するお言葉をいただきました。

今後は、カンボジアとラオスにおいても同様のワークショップを開催し、現地調査結果の分析を踏まえた研究結果を共有して、中央・地方レベルの教育省官僚や国際援助機関の専門家から意見を収集する予定です。また、これらのワークショップで得られた意見をもとに国別レポートを改訂し、教育政策比較研究レポートの完成を目指します。

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(国際協力研究科)