神戸大学

[自然科学系先端融合研究環] 川井浩史教授、山岸隆博助教らが褐藻類のモデル生物の全ゲノムを解析しました

2010年06月08日

論文タイトル
The Ectocarpus genome and the independent evolution of multicellularity in brown algae
著者
J. Mark Cock et al.
学会誌名等
Nature
概要

自然科学系先端融合研究環内海環境教育研究センター川井浩史教授、山岸隆博助教は、北海道大学の研究グループとともに、Mark Cock博士をリーダーとするロスコフ臨海実験所 (フランス) を中心としたコンソーシアムによる全ゲノム解析に参加し、遺伝子アノテーションなどを担当しました。また、この全ゲノム解析に使用された系統株は、「神戸大学海藻類系統株コレクション (KU-MACC)」でも保存・提供しています。

コンブ類やホンダワラ類が含まれる褐藻類は藻場 (もば) と呼ばれる大型海藻類からなる沿岸域生態系の主要な構成要素であり、水産資源としても重要ですが、これまで全ゲノム配列が解析された例はなく、本報告は緑藻、紅藻などを含めた海産多細胞生物での初めての報告となります。ゲノム解析の結果からは、多様で特徴的な光合成色素生合成、ハロゲン化物代謝、シグナル伝達に関わる遺伝子が見いだされており、潮間帯などの過酷な環境への適応や多細胞体制への進化との相関に興味が持たれています。

関連サイト