神戸大学

[理学研究科] 津田准教授らが、人の声と同程度の周波数の音に応答して整列する超分子ナノファイバーの開発に成功しました

2010年09月29日

論文タイトル
Spectroscopic visualization of sound-induced liquid vibrations using a supramolecular nanofibre
著者
Akihiko Tsuda,Yuka Nagamine,Reiko Watanabe,Yoshiki Nagatani,Noriyuki Ishii & Takuzo Aida
学会誌名等
Nature Chemistry
Published online 05 September 2010
DOI: 10.1038/nchem.825
概要

理学研究科化学専攻津田准教授らが、東京大学、神戸市立工業高等専門学校、産業技術総合研究所とともに、人の声と同程度の周波数の音に応答して整列する、超分子ナノファイバーの開発に成功しました。

これまでに可聴領域の音が、分子あるいは分子集合体にどのような影響を及ぼすのかが科学的な感心事の一つとなっていました。本研究では、人工的にデザインされた新奇な超分子ナノファイバーの溶液に可聴音を照射すると、ナノファイバーが音の進行方向に沿って整列するという極めてユニークな現象を発見しました。音のエネルギーを直接分子レベルに変換することは、音の波長と分子サイズのスケールギャップから極めて難しいと考えられてきました。しかし、音の波長や強度を感受するための適切な構造や機能をナノファイバーに付与すると、それらが音の溶液振動によって整列することがわかりました。本現象は、微弱な溶液振動を検出する新たな技術として様々な応用が期待されています。また、この内容は日本経済新聞 (9月6日) においても紹介されています。