鈴木教授・菰田准教授が化学工学会研究賞 (實吉雅郎記念賞) を受賞しました。

受賞した研究は「潜熱保有微粒子スラリー輸送によるプロセス強化に関する研究」です。

氷のように潜熱を吸収・放出する微粒子を水に混ぜて輸送することで、水に比べて3倍の熱を運ぶことができます。このことによって運ぶ量を少なくすることができるので、輸送にかかるエネルギーを大きく削減できます。また温度がほぼ一定に保たれるので、熱を伝える能力が高く、熱機器をコンパクトにすることができます。しかしながら、微粒子を水に混ぜて流すと、詰まったり流れが悪くなる問題がありました。

そこで、本研究において、当研究室で開発している微粒子をひっつかないようにする技術を応用して、スムーズに流れるスラリー (固体と液体が混ざった流体) を開発することができました。

これは空調システムや、温度を一定に保ちたい反応装置などに広く応用できる技術であり、省エネルギー技術の先端的アイテムです。本研究は国内外で高い評価を得ており、今回受賞するに至りました。

なお、この化学工学会研究賞は化学工学分野でもっとも優れた研究に対して化学工学会から授与されるものであり、厳正な審査の上、本研究が選ばれました。