神戸大学

深城英弘准教授らが植物の根の発生メカニズムに関する研究成果を発表しました

2012年01月26日

論文タイトル
The establishment of asymmetry of Arabidopsis lateral root founder cells is regulated by LBD16//ASL18 and related LBD/ASL proteins
著者
Tatsuaki Goh, Shunpei Joi, Tetsuro Mimura and Hidehiro Fukaki
学会誌名等
Development
Published online before print on January 25, 2012
DOI: 10.1242/dev.071928
概要

理学研究科の深城英弘准教授、郷達明研究員らの研究グループは、植物の根が作られる細胞分裂を制御するタンパク質を明らかにしました。

植物が根を増やすには、根や茎から側根や不定根などの新たな根を作る必要があります。この過程は植物ホルモンのオーキシンによって制御されることが知られていましたが、オーキシンを介して新しい根を増やす細胞分裂の仕組みは遺伝子レベルで明らかにされていませんでした。今回、深城准教授らはモデル植物シロイヌナズナを用いて、オーキシンに応答して根で誘導されるLBD16/ASL18タンパク質に注目し、このタンパク質が側根の発生を引き起こす最初の細胞分裂 (非対称分裂) を制御することを明らかにしました。

今回の研究成果は、植物の発生の基本的仕組みの理解につながるととともに、植物の根系を人為的に調節する方法の開発につながり、農業分野だけでなく近年注目されている植物バイオマスの増大にも貢献すると期待されます。