神戸大学

[理学研究科] 物理学専攻の研究室が参加しているLHC実験で、ヒッグス粒子と見られる新しい素粒子を観測しました

2012年07月09日

概要

理学研究科物理学専攻の藏重久弥教授らが所属する粒子物理研究室が参加している、スイスの欧州合同原子核研究所 (CERN) で行われているLHC加速器による実験で、ヒッグス粒子と見られる新しい素粒子を観測しました。

2012年6月までに取得したデータを加えて探索を行った結果、2つの実験 (ATLAS実験,CMS実験) の両方で新粒子が存在する確率が99.9999%を超え、発見が確実になったものです。この結果は暫定結果で、2012年7月下旬に論文投稿する予定です。

粒子物理研究室は、ATLAS実験に1994年から参加し、ミューオン検出器の製作・試験・据付等に貢献してきました。今回の発見には、ミューオン検出器の運用及びデータ解析、ミューオン・チャンネルを中心としたヒッグス粒子の崩壊の物理解析などに生かされています。

今後、発見した素粒子の性質が標準模型で予言されるヒッグス粒子であるかどうかについてさらに詳しく解析を行っていきます。そしてさらに、素粒子がなぜ質量を持つのかという、宇宙の成り立ちに関わる謎のさらなる解明に向け研究を進めます。

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