神戸大学

「大規模シミュレーションが解き明かす世界」神戸、京都、大阪の3大学連携シンポジウムを開催

2013年02月22日

神戸大学は京都大学、大阪大学と共催で2月22日 (金) 13時半から神戸市中央区の統合研究拠点コンベンションホールで3大学連携シンポジウムを開催しました。6回目の今回は「大規模シミュレーションが解き明かす世界」がテーマ。昨年9月に共用開始された理化学研究所計算科学研究機構のスーパーコンピュータ「京」の開発の意義などの講演やパネルディスカッションが人気を呼び、市民、企業関係者、大学関係者ら約300人が参加しました。

福田秀樹神戸大学長 あいさつ

シンポジウムは福田秀樹神戸大学長、平野俊夫大阪大学総長、松本紘京都大学総長のあいさつで始まりました。福田学長は「スーパーコンピュータは様々なシミュレーションが出来ます。今、シミュレーションは、理論と実験に並ぶ第3の科学技術手法と位置づけられています。このシンポジウムは、京を用いた大規模シミュレーションが解き明かす世界を皆様が垣間見ることができるよう企画しました」と話しました。

基調講演は3大学の研究者が最先端研究を発表しました。まず、横川三津夫・神戸大学大学院システム情報学研究科教授が「『地球シミュレータ』と『京』の開発とその意義」と題して、国家プロジェクトとして進められたスーパーコンピュータ開発の経緯などについて詳しく説明。参加者もため息をつきながら聞き入りました。

次いで中村春木・大阪大学蛋白質研究所教授が「生命科学における情報・計算科学」と題して生体分子を対象としたシミュレーション計算が急激に高度化している現状を報告しました。

最後に平原和朗・京都大学大学院理学研究科教授が「地震発生サイクルシミュレーション」と題して、プレート運動を原動力とする地震の繰り返し発生のシミュレーションが行われ、超巨大地震の発生の機構解明や予測につなげる試みが行われていることを報告しました。

賀谷信幸・神戸大学教授

参加者の人気を集めたのが三次元可視化デモンストレーションでした。賀谷信幸・神戸大学システム情報学研究科教授の案内で全員3Dメガネをかける中、人工衛星が宇宙を飛翔するための推進器イオンエンジンのシミュレーションを映し出しました。目に見えないイオンと電子のふるまいを可視化したもので、イオンが客席に噴出されるように見えて、驚きの声が上がっていました。

バネルディスカッション「スーパーコンピュータで何ができるか?」では3人の講演者に、コーディネーターとして小柳義夫・神戸大学システム情報学研究科特命教授と伊藤聡・理化学研究所計算科学研究機構コーディネーターが加わり、京のこれからの成果について様々な可能性が議論されました。

バネルディスカッション
「スーパーコンピュータで何ができるか?」

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(広報室)