海事科学部の前身(1917年~)

川崎造船所の創立者川崎正蔵の遺志により、その子川崎芳太郎が設立資金を出資し、1917(大正6)年に私立川崎商船学校が設置された。当初は中等学校程度であったが、東京高等商船学校との格差を是正するための運動を展開し、3年後の1920(大正9)年8月にわが国2番目の官立高等商船学校である神戸高等商船学校に昇格した。

神戸高等商船学校

1943(昭和18)年に3番目の官立高等商船学校として清水高等商船学校が開校すると、政府の方針によって高等商船教育の統合がめざされることになり、1945(昭和20)年に神戸高等商船学校・東京高等商船学校・清水高等商船学校を統合して、清水市に高等商船学校が設置された。この時、神戸高等商船学校の土地・施設は高等商船学校神戸分校となり、海技専門学院が新設・併置された。

戦後、新しい学制のもとで商船大学設置の機運が高まり、1952(昭和27)年に兵庫県内で2番目の国立大学として 神戸商船大学が設置された。1974(昭和49)年には大学院商船学研究科(修士課程)が、1997(平成9)年には大学院商船学研究科(博士課程)が設置され、また1982(昭和57)年には初めて女子学生を受け入れるなど発展を遂げて来たが、2003(平成15)年10月、神戸大学との統合により神戸大学海事科学部に引き継がれることになった。

1917(大正 6)年9月私立川崎商船学校の設置認可。
1920(大正 9)年8月私立川崎商船学校を廃止し官立の神戸高等商船学校を設置。
1945(昭和20)年4月神戸高等商船学校・東京高等商船学校・清水高等商船学校を統合して清水市に高等商船学校を設置。高等商船学校神戸分校が設置され海技専門学院を新設・併置。
 5月空襲のため海技専門学院・高等商船学校神戸分校に大きな被害。
 8月空襲のため海技専門学院・高等商船学校神戸分校に再び大きな被害。
1946(昭和21)年3月高等商船学校神戸分校を廃止。
1952(昭和27)年5月神戸商船大学を設置。
1974(昭和49)年6月神戸商船大学大学院商船学研究科(修士課程)を設置。
1995(平成 7)年1月兵庫県南部地震で神戸商船大学の学生5名、研究者1名が犠牲となる。
1997(平成 9)年4月神戸商船大学大学院商船学研究科(博士課程)を設置。
2003(平成15)年10月神戸大学神戸商船大学とが統合し、神戸大学海事科学部を設置。