藤澤正人神戸大学長による開会挨拶

 2024年3月1日、神戸大学統合研究拠点にて水素・未来エネルギー技術研究センター キックオフシンポジウムを開催しました。シンポジウムのテーマは題して「水素・未来エネルギーが創るカーボンニュートラル社会 ― 先端技術研究と産官学連携からの挑戦 ―」とし、第1部 講演会、第2部 パネルディスカッションを行い、165名(来賓・講師・パネリスト・関係者を含む)の皆様にご来場いただきました.

 藤澤正人 神戸大学長の挨拶でシンポジウムが開会しました。地球規模の課題である温暖化問題に取り組むため、本センターが国際研究や若手人材育成の拠点となるよう、産官学が連携して研究を推進していきたい、との目標と決意が示されました。続いて、来賓としてご参加いただいた神戸市長・久元喜造 様からは、これまで行われてきた神戸市の水素に関する取り組みについてご紹介いただき、水素エネルギーの利活用においてアカデミアの役割の重要性と、当センターが先端研究を推進していくことに対するご期待をご祝辞として賜りました。産業界からのご来賓として、川崎重工業株式会社常務執行役員・原田英一 様から、川崎重工業株式会社の水素エネルギーに対するこれまでの取り組みについてご紹介いただくとともに、本センターに対して、水素に関する基盤技術の研究推進を期待していること、また産官学民で新たなシーズを今後生み出していきたいとのご祝辞を賜りました。続いて、武田実 センター長より、2023年11月に設立されたセンターの設立経緯と概要、三部門の内容と構成員の紹介が行われました。各部門の核となる研究内容を紹介し、将来的にはオープンラボラトリーとして、産官学の研究推進の拠点としたい旨が説明されました。

 続いて、毎日新聞論説委員・元村有希子 様に「気候危機と日本」との題で特別講演をしていただきました。科学記者としてご活躍されてきた元村様には、今後10年間の地球規模でのリスクである環境問題に対して、複雑化する社会においてどのように議論を進めていくか、科学技術におけるジレンマ、基礎研究の推進とそれらを担う人材育成の重要性といった広い視野での考え方および問題提起をしていただきました。会場からも、大学の理系学部の多くでは哲学や倫理を教える講義が無いことを指摘する質問が出るなど、参加者にとって興味深く、感銘するご講演をしていただきました。

    河端俊典理事・副学長による閉会の挨拶

 第2部では、武田実センター長をモデレータとし、パネリストとして大平英二 様(NEDO ストラテジーアーキテクト)、姫野武洋 様(東京大学大学院工学系研究科 教授)、元村有希子 様(毎日新聞 論説委員)、原田英一 様(川崎重工業株式会社 常務執行役員)、小池国彦 様(岩谷産業株式会社執行役員 中央研究所長(兼) 岩谷水素技術研究所長)、幸村展人 様(株式会社グリーンパワーインベストメント 代表取締役副社長)にご参加いただき、「水素・未来エネルギーの、つくる・はこぶ・ためる・つかうを産官学民で共創」をテーマにパネルディスカッションを開催しました。はじめに、パネリストの自己紹介とこれまでの取り組みや研究内容についてご説明いただきました。その後、「エネルギーをつくる」というテーマにてディスカッションが行われました。ディスカッションでは、オーストラリアから何故水素を輸送するのか・国内で水素を製造できないのか、といった疑問に対し、産業界から現状の課題や今後のエネルギー供給源の見通しについて説明がなされました。また、水素は様々な方法で製造できることから、エネルギーの寡占化を防ぐことができる、といった意見も出されました。基礎的な実験を実施できる場として、産官学で共同利用できる実験設備の必要性などについても、活発な議論が行われました。パネルディスカッション終了後、河端俊典 神戸大学 理事・副学長から挨拶が行われ、シンポジウムが閉会しました。

(水素・未来エネルギー技術研究センター)