医学研究科の糖尿病内分泌内科学 高橋裕准教授、iPS細胞応用医学 青井貴之教授らのグループが、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)平成29年度「再生医療実現拠点ネットワークプログラム(疾患特異的iPS細胞の利活用促進・難病研究加速プログラム)」における研究拠点IIに採択されました。
 研究拠点IIでは疾患特異的iPS細胞を用いて疾患メカニズムを解明し、表現型解析や疾患モデリングなど解析技術の高度化を行います。
 今回、高橋准教授らのグループが共同研究者である青井教授、慶應大学 長谷川奉延教授とともに数年かけて進めてきた「疾患特異的iPS細胞を用いた下垂体疾患モデルの創出を目指した研究」がその内容と実績を認められ採択に至りました。本研究は、疾患特異的iPS細胞を用いた (1) 先天性下垂体低形成の病因・病態解析、(2) 抗PIT-1抗体症候群の病因・病態解析、(3) 下垂体腫瘍オルガノイドを用いた病因解析と創薬 の3つのプロジェクトからなります。

今後の展開

 本研究により、疾患特異的iPS細胞の下垂体疾患への初めての応用、特に遺伝子異常に伴う先天性疾患だけではなく、後天性の自己免疫疾患への応用という点で大きなブレークスルーになりうるとともにこれらの疾患の原因及び病態解明に結びつきます。さらに下垂体腫瘍オルガノイド樹立に成功すればこれまで腫瘍サンプルが微小であるために困難であった原因解明、創薬に結びつくことから、難治性下垂体腫瘍の新たな治療法の発見が期待されます。

各プロジェクト概要

  • (1)先天性下垂体低形成の病因・病態解析においてはすでにiPS細胞を用いた疾患モデル作成に成功し、患者由来のiPS細胞がin vitroで下垂体分化異常をきたすこと、またその原因遺伝子と発症機序が明らかになりつつあります。
  • (2)抗PIT-1抗体症候群の病因・病態解析においては、これまで高橋裕准教授らのグループが世界で初めて発見・命名し報告してきた新たな自己免疫内分泌疾患である抗PIT-1抗体症候群(J Clin Invest 2011 121 113, J Clin Endocrinol Metab 2014 99 E1744, Sci Rep 2017 7 43060)のiPS細胞を用いた疾患モデル作成、病因・病態解明を目指します。
  • (3)下垂体腫瘍オルガノイドを用いた病因解析と創薬においては、ヒトiPS細胞から下垂体への分化系を応用し、下垂体腫瘍オルガノイドを樹立することによって、病因・病態解明と創薬を目指します。

採択課題 研究拠点II(平成29年〜31年度)

「疾患特異的iPS細胞を用いた下垂体疾患モデルの創出を目指した研究」

代表機関:神戸大学
       研究開発代表者  准教授・高橋 裕
       研究開発分担者  教授・青井 貴之
分担機関:慶應義塾大学     教授・長谷川 奉延

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