地球の海の下にはリソスフェアと呼ばれる硬い岩盤があり、柔らかいアセノスフェアの上で運動していると考えられている。しかしなぜアセノスフェアがリソスフェアよりも柔らかいのかはわかっていないうえ、計測の困難さから、アセノスフェアの柔らかさを直接観測する手段もほとんどなかった。

 東京大学地震研究所の竹内准教授らのグループは、「ふつうの海洋マントルプロジェクト(通称)」を推進し、長期海底地震観測技術を開発し、アセノスフェアの物性をその場観測した。地震波減衰特性という岩石の柔らかさの指標に着目し、独自の地震波伝播シミュレーション手法を駆使して、海洋リソスフェア・アセノスフェアの柔らかさの精密比較に初めて成功した。この計測技術を通じ、室内岩石実験データと地球観測データを直接比較できるようになったため、アセノスフェアを観測する新たな手段を獲得したと言える。今後、岩石が柔らかくなる原因や条件の詳細が室内実験から解明され、アセノスフェアの柔らかさの原因特定につながることが期待される。

 神戸大学理学研究科 惑星学専攻 杉岡裕子准教授は、本研究において、2010年から2014年にかけ、1年ごとに地震計を入れ替えながら繰り返し行ってなされた海底地震観測に貢献しています。この観測では通常の海底地震計以外に高性能な新型の地震計も延べ8台使われました。

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