参考図:水没に対する浮きイネの草丈の伸長 (名古屋大より提供)

 東北大学 生命科学研究科 黒羽 剛 助教、名古屋大学生物機能開発利用研究センター 芦苅基行 教授らの共同研究グループは、洪水に適応し、背丈を急激に伸長させて生き延びることができる「浮きイネ」を制御する鍵遺伝子を発見し、その分子機構と起源を明らかにしました。

 本研究成果によって、長期間、洪水が続いても生存可能なイネ品種の開発や、環境に応じてイネの背丈を人為的に制御する技術の確立が期待されます。

 本研究は、米国コーネル大学、理化学研究所、農業・食品産業技術総合研究機構、産業技術総合研究所、埼玉大学、東京大学、神戸大学、九州大学との国際共同研究で行われたものです。

 神戸大学農学研究科附属食資源教育研究センター 山崎 将紀 (ヤマサキ マサノリ) 准教授は、浮きイネの水没に応答した草丈の伸長に関わる鍵遺伝子を発見した本研究において、ゲノムワイド関連解析(GWAS)で主に貢献しました。また、同定された遺伝子これまでに詳細に研究していた経緯もあります。

 この研究成果は、平成30年7月13日付(日本時間3時)の米国科学雑誌「Science」オンライン版に掲載されました。

■詳細はこちらをご覧ください。

論文情報

・タイトル
Ethylene-Gibberellin Signaling Underlies Adaptation of Rice to Periodic Flooding
doi:10.1126/science.aat1577

・著者
黒羽剛1, 永井啓祐2, Rico Gamuyao2,(注1), Diane R. Wang3,(注2), 古田智敬2, 中森将斉2, 北岡拓也2, 足立啓太2, 南杏鶴2, 森欣順2, 増口潔1, 瀬戸義哉1,(注3), 山口信次郎1, 小嶋美紀子4, 榊原均5,4, 呉健忠6, 江花薫子6, 光田展隆7, 高木優7,8, 柳澤修一9, 山崎将紀10, 横山隆亮1, 西谷和彦1, 望月俊宏11, 田宮元12,13, Susan R. McCouch3, 芦苅基行2
  • 1. 東北大学生命科学研究科
  • 2. 名古屋大学生物機能開発利用研究センター
  • 3. 米国 コーネル大学
  • 4. 理化学研究所環境資源科学研究センター
  • 5. 名古屋大学大学院生命農学研究科
  • 6. 農業・食品産業技術総合研究機構
  • 7. 産業技術総合研究所
  • 8. 埼玉大学理工学研究科
  • 9. 東京大学生物生産工学研究センター
  • 10. 神戸大学大学院農学研究科
  • 11. 九州大学大学院農学研究院
  • 12. 東北大学東北メディカル・メガバンク機構
  • 13. 理化学研究所革新知能統合研究センター
  • (注1). 現所属 米国 ジョンズ・ホプキンス医学校
  • (注2). 現所属 米国 ニューヨーク州立大学バッファロー校
  • (注3). 現所属 明治大学農学部

・掲載誌
Science

研究費

  • ・戦略的創造研究推進事業 (CREST)
     「作物の地下茎による栄養繁殖化に向けた基盤技術の開発」 (JPMJCR13B1)
  • ・地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS)
     「ミャンマーにおけるイネゲノム育種システム強化」
  • ・植物科学最先端研究拠点ネットワーク
  • ・キャノン財団
     「食糧問題軽減を目指したイネの分子育種と特性評価」
  • ・科研費 新学術領域
     「大地環境変動に対する植物の生存・成長突破力の分子的統合解析」 (22119007)
    「植物細胞壁の情報処理システム」 (24114001, 24114005)
     「植物の成長可塑性を支える環境認識と記憶の自律分散型統御システム」 (16H01464)
     「植物の生命力を支える多能性幹細胞の基盤原理」 (17H06473, 17H06474)
  • ・科研費 基盤研究 (C) (18K06274)
  • ・科研費 若手研究 (B) (16K18565)
  • ・科研費 特別研究員奨励費 (14F03386)
  • ・The National Science Foundation Graduate Research Fellowship (DGE-1144153)
  • ・USDA NIFA (2014-67003-21858)

関連リンク