神戸大学

海洋底探査センター・海事科学研究科附属練習船深江丸が探査航海から帰港しました

2016年11月01日

海洋底探査センターと海事科学研究科附属練習船深江丸による探査航海のため、10月13日 (木) 11時に神戸大学深江キャンパスの岸壁を出航した深江丸は、鹿児島県沖の鬼界カルデラにおける探査活動を達成し、10月27日 (木) 9時55分に15日間の航海を終えて、無事深江キャンパスの岸壁に入港着岸しました。

前半の探査活動では、観測海域の鬼界カルデラにおいて、マルチナロービーム測深システムによる海底地形調査、海底変動測定機器 (OBS、OBEM) の投入、プロトン磁力計による地磁気の調査等を行い、その後、鹿児島港に入港し、機器・装置の積み込み、給油・給水等の作業を行ったのち、再び、鬼界カルデラ付近に移動し、後半の探査活動として、海底地形調査のOBS投下・海底への設置と、エアガンとハイドロフォンを用いた反射法地震探査による地下構造探査を行いました。この観測は対水速力5ノットで、直線の測線上を正確に航行することが必要であり、深江丸の高度な技術によりその運用を実現しました。

このたびの航海は、あいにく探査海域、予定航路での海象が厳しく、鹿児島湾で避泊を行ったり、航路を変更するなどの対応が求められました。前半の航海では計1,065海里 (1,972km)、そのうち観測海域にて516海里 (956km)、後半航海は、航走距離1,005海里 (1,861km)、うち探査海域では406海里 (752km) の航海となり、全体をとおして、航走距離2,070海里 (3,833km)、うち探査海域では922海里 (1,708km) で、当初の予定よりは距離が短くなりましたが、ほぼ当初予定の探査活動を実施することができ、海洋底探査センターの研究に必要なデータが取得できました。

10月27日に深江キャンパスに入港後、深江丸の船内学生ホールで、解散式が行われました。解散式では、若林副センター長から探査航海の総括があり、続いて矢野船長から航海の概要について報告され、内田海事科学研究科長、巽海洋底探査センター長から挨拶がありました。その後、探査活動を行った乗船者全員から一言ずつ感想が述べられ、15日間に及んだ探査航海が終了、解散、下船となりました。

次回は、平成29年3月1日から10日に平成28年度第2次探査航海が予定されています。鬼界カルデラ付近における探査航海は、今後5年~10年の期間、継続的に実施される予定です。

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(海事科学研究科)