Kobe University

第9回「EUレクチャー・シリーズ」特別講演を開催しました

2017年04月21日

4月11日、マルコ・ロンバルディ在大阪イタリア総領事、ヴェルナー・ケーラー大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領事が「EUレクチャー・シリーズ」第9回 特別講演として “60 years of theTreaty of Rome: what does it mean for the EU?” のテーマで講演されました。

講演会は、2限の玉田大教授の授業「国際機構法」の中で行われました。前半は神戸ドイツ連邦共和国総領事ウェルナー・ケーラー氏の講演がドイツ語と日本語の逐次通訳で行われ、欧州連合 (EU) の歴史について、欧州経済共同体と欧州原子力共同体の設立条約であるローマ条約が2017年3月25日に締結されたことから、1989年ベルリンの壁崩壊とそれがもたらした東西ドイツ統合がヨーロッパ人とそのアイデンティティーにとっての象徴的な意義について述べられ、また現在のEUの組織と60年前に設立された主要な機関についてお話いただきました。最後に同氏はEUと日本の多くの共通利益に関して、戦略的なグローバルパートナーとしての関係の重要性を指摘されました。

後半は在大阪イタリア総領事マルコ・ロンバルディ氏の講演がイタリア語と日本語の逐次通訳で行われ、現在EUが直面している問題について、イギリスのEU離脱と高まりを見せるイギリス国民のEUへの不満について言及し、過去60年を振り返りヨーロッパ人のアイデンティティーについて述べられました。また、現在の問題である経済危機や難民問題などを取り上げ、これらはEU自体の存在から独立した外的な要因によって決定される。これらの複合性によって早急な解決策を見出すのは困難ではあるが、過去60年間鼓舞してきた共同精神を持ち続けることによって、ヨーロッパの国民第一、イタリアもしくはドイツの国民第二とし、共通の解決策をもって前進することができると述べられました。

講演の最後にはQ&Aセッションが設けられ、学生たちから将来のEUについて、特に二速度欧州の考え方や国境なきテロ行為について興味深い質問が投げかけられました。

講演後両総領事は本学社会科学系図書館を訪れ、ローマ条約調印60周年 記念パネル展~Ever Closer Union~ (共催:駐日欧州連合代表部、イタリア文化会館 (大阪)、本学国際教育総合センタープログラムコーディネート部門、協力:本学附属図書館) を鑑賞されました。このパネル展は現在世界各地で開催されています。

(国際部国際交流課プログラムコーディネート事務室)