Kobe University

経済経営研究所・社会システムイノベーションセンター主催シンポジウム「ポストコロナの家計経済を考える-持続可能な地域社会を創るために-」を開催しました

2021年12月02日

神戸大学経済経営研究所は、11月30日に、神戸大学社会システムイノベーションセンターと共催で、シンポジウム「ポストコロナの家計経済を考える-持続可能な地域社会を創るために-」を開催しました。

コロナ禍は家計に大きな影響を与えています。ただ、コロナ禍発生前から、日本の家計には、様々な課題がありました。そこで、本シンポジウムでは、日本の家計経済の特徴や課題、家計の金融リテラシーの向上策、コロナ禍での家計経済の問題への対応策などについて研究者や実務家による講演とパネルディスカッションを行いました。

始めに、中村保理事・副学長による挨拶がありました。続く基調講演では、経済経営研究所の家森信善教授が「日本の家計の金融リテラシーとコロナ禍での金融行動」について、同研究所のチャールズ・ユウジ・ホリオカ教授が「日本の家計経済研究からみたポストコロナの家計貯蓄・消費行動」について、日本女子大学人間社会学部の周燕飛教授が「シニア層の男性の家計と老後貯蓄―コロナ禍がもたらす変化」について、現在のコロナ渦における最先端の研究成果に基づく講演を行いました。

家森信善教授
チャールズ・ユウジ・ホリオカ教授
周燕飛教授

パネルディスカッションでは、家森教授の司会により、ホリオカ教授、周教授、臼井恵美子教授 (一橋大学経済研究所)、前野彩さん (株式会社Cras 代表取締役、CFP®認定者 ファイナンシャル・プランナー)、渡邉昌一さん (日本銀行 情報サービス局長・金融広報中央委員会 事務局長) らがパネリストとして参加し、日本における金融リテラシーの状況や金融経済教育のあり方について、またSDGs (持続可能な開発目標) の重要性とともに、家計経済的な観点から家計の持続性を高めていくためにはどのようにすればよいかについて、様々な議論が行われました。

また、オンラインネットワークでの特性を活かし、全国から多数の方に参加していただきました。参加者からの質問にも時間の許す限り応答し、オンライン上で参加者と同時双方向でのシンポジウムとなりました。

集まった約120名の参加者らは、興味深く耳を傾けている様子で、感想について尋ねると、自分自身の金融リテラシーを向上する必要性を実感できた、自身の家計経済について深く向き合う良い機会を得ることができたなど、高い評価の声をいただきました。

チャールズ・ユウジ・ホリオカ教授は今年度3月で神戸大学を定年退職される予定で、基調講演の登壇者の一人である周燕飛教授はホリオカゼミの卒業生です。また、パネリストの渡邉事務局長からも、学生時代にフェルドシュタイン=ホリオカ=パラドックスを学んだエピソードも紹介されました。イベント開催にあたった教職員からは、研究人生に一区切りを付けられるホリオカ教授へ、今後のますますのご活躍をお祈りいたしますと、感謝とねぎらいの言葉が贈られました。

(経済経営研究所)